東京都が実施したアレルギーに関する3歳児全都調査(平成27 年5月発表)によると、3歳までに何らかのアレルギー症状があり、かつ診断されている児は約4 割でした。
3歳までのアレルギー罹患率は約4 割
乳幼児のアレルギーの半数以上が食物アレルギー
次いでアトピー性皮膚炎が52%、アレルギー性鼻炎が28%、気管支ぜんそくが19%という結果になりました。
新生児期からのこまめなスキンケアがアトピー性皮膚炎の発症リスクを減らす
スキンケア商品の使用実態を調査(注1)すると、0歳時に8割以上がスキンケアを使用しているものの、「肌トラブルの予防」を理由にしている人は半数程度に留まっています。
しっかりとスキンケアを行い、赤ちゃんの肌トラブルを防ぎましょう。
ママ・パパが心配なタマゴ!少量ずつで予防効果も!
少量ずつ摂取させることでアレルギーを8 割以上予防できることが明らかに
子どもの食物アレルギーの原因としてよく挙げられる卵ですが、ママやパパはどのように対処しているのでしょうか。平成27年に雪印ビーンスタークが行った調査(注2)によると、卵黄を与える時期は7割以上の人が9か月以降としており、支援ガイドが推奨する7~8か月よりも遅い時期に与えていることが分かりました。そしてその半数が「アレルギーが心配だった」と回答しています。
さらに2016年12月に国立成育医療研究センター、徳島大学等の研究では、生後6 か月より固ゆで卵を少量ずつ摂取させることにより、鶏卵アレルギーを8 割予防できることが明らかとなりました。
出典:国立成育医療センター プレスリリース 下記リンク参照
離乳期早期の鶏卵摂取は鶏卵アレルギー発症を予防することを発見 | 国立成育医療研究センター
食べさせている群【310 名】(「積極的に食べさせている(81 名)」と「できるだけ食べさせている(229 名)」の合算)と、食べさせないようにしている群【178 名】(「食べさせないようにしている(49 名)」と「できるだけ食べさせないようにしている(129 名)の合算」を比較した結果。
産後の乳酸菌摂取は7割以上。母乳への影響を考慮している人は15%にとどまる結果に
その理由は「ママのお腹の調子を整える」が第1位、ついで「ママの体質改善」という結果に。しかし、近年話題となっている授乳期のママの乳酸菌摂取とお子様のアレルギー予防に関連する「母乳だったのでお子様への影響を考慮して」という回答は15%程度でした。
2 種類以上の乳酸菌摂取によりアレルギーを予防するTGF–β を増やせる可能性も
雪印ビーンスターク株式会社(当時は雪印乳業㈱)が1989年に行った追跡調査では、アレルギーを発症しなかった乳幼児が哺乳していた母乳中リボ核酸、ポリアミン濃度はアレルギーを発症した乳幼児が哺乳していたものと比較して有意に高く、TGF-β 濃度は高い傾向でした。
近年、母乳中の TGF-β量とその母乳を飲んでいた子供のアレルギー発症率が関係することが報告されています※1。また母親が2種類以上の乳酸菌を摂取すると、その母乳を飲んでいた子供のアレルギー発症率が低いことが報告されています※2。
これらの知見を参考に弊社では、山梨大学医学部免疫学講座と共同で、母乳を与えている母親を対象としたヒト試験を実施しました。この結果、母親が複数の乳酸菌を摂取する ことによって母乳中 TGF-β 量が増えることを確認いたしました。
※1 Saarinen KM et al.: J Allergy Clin Immunol(1999),104,1093 ※2 メタアナリシス解析結果 Pelucchi C et al.:Epidemiology (2012),23,402(メタアナリシス:複数のランダム化比較試験を統合し、網羅的に分析すること、またはそのための手法や統計解析のこと)
アレルギーを予防するといわれるTGF-β を増やす2 種類以上の乳酸菌を摂取する習慣を、妊娠期から取り入れて、早めのアレルギー対策をしましょう。
中尾 篤人 先生 (山梨大学 医学部 免疫学講座教授) コメント
これらの学術報告をまとめ解析したところ、摂取する乳酸菌は2 種類以上の複数菌種が効果的と考えられました。このような複数菌種の摂取により、母乳中TGF-β 含量の増加を介して、乳児のアレルギー予防効果が期待されます。
調査期間 : 2016年11月9日~11月11日
調査方法 : インターネットリサーチ
調査対象 : 2 歳の子どもを持つ女性 20 歳~49 歳 計800人
注2:「アレルギーに関する意識調査」 調査概要
調査期間 : 2016年1月9日~1月12日
調査方法 : インターネットリサーチ
調査対象 : 0~3 歳の子どもを持つ男女各200 人ずつ 計400人