都会の喧騒を忘れるような、高級なレストランのテラス席。
美紀は夫の友人たちとのディナーに参加していた。
夜の風が心地よく、彼女の髪をなびかせていた。
しかし、彼女の心はどこか落ち着かない。
結婚して数年、夫との日常は安定していたが、何か新しい刺激を求めているような気がしていた。
月夜の秘密
ディナーの途中、彼女はトイレに立った。
席を立つとき、目の前に座っていた大樹と目が合った。
彼の瞳は深く、何かを訴えているようだった。
美紀は心の中で少しドキッとしたが、すぐにその感情を振り払った。
トイレから戻る途中、美紀はバルコニーに足を運んだ。
都会の夜景が広がり、星がきらきらと輝いていた。
彼女はしばらくの間、その美しい景色に見入っていた。
「きれいだね。」
突然、背後から男性の声が聞こえた。
振り返ると、先ほどの大樹が立っていた。
彼は美紀の隣に座り、彼女と同じように夜景を眺めていた。
「あなたは、夫の友人の…」
「大樹。君は美紀さんだったよね？」
彼の声は低く、どこか優しさに満ちていた。
二人はしばらくの間、お互いのことを話し合った。
大樹は、美紀の夫とは大学時代の友人で、今は広告代理店で働いていると言った。
美紀は彼の話に興味津々で聞き入っていた。
「君の笑顔、とても魅力的だよ。」
大樹の言葉に、美紀は少し照れくさい気持ちになった。
彼の視線は、彼女の心を直撃していた。
「ありがとう。でも、私、結婚してるんだよ。」
美紀は少し困ったように言った。
「僕も知ってる。でも、今、この瞬間だけ、君と二人きりでいたい。」
大樹は美紀の手を取り、彼女の頬にキスをした。
美紀は驚きとともに、彼の唇の温かさを感じた。
彼女の心は高鳴り、この禁断の感情に身を任せていた。
「これは、秘密にしてほしい。」
大樹の言葉に、美紀は頷いた。
二人はその夜、新しい関係を築くことになった。
彼らの出会いは、美紀の心に新しい感情を芽生えさせ、彼女の日常を一変させることになるのだった。
数週間後、彼らは秘密のデートを重ねるようになった。
昼下がりのカフェ、夜のレストラン。
彼らの関係は、日に日に深まっていった。
次回、次の章へ…
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