親である私たちは、子どもの成長にあわせて多くの「褒める場面・叱る場面」に直面します。
子どもの性格や特性は十人十色だからこそ、正解がない毎日の子育て。
「褒め方はこれでいいのかな?」「この叱り方は子どもにとって大丈夫かな?」など自信がないと感じる方も多いのではないでしょうか?
褒めること、叱ることはどちらも子どもの成長にとって必要なことです。
今回は子どもの自己肯定感と自主性を高める、褒め方・𠮟り方についてのポイントをご紹介します。
子どものモチベーションを上げる!褒め方のポイント
子どもは褒められることによって自己肯定感が上がり、日々のモチベーションアップにつながります。
ただ、「すごいね!」「できたね!」という簡単な声かけを連発するのでは子どもには響きません。
子どものモチベーションを上げる効果的な褒め方のポイントを、具体例とともに3つご紹介します。
①「具体的に」良いところを褒める
子どもは褒められたときに「私・僕のことを見ていてくれたんだ、理解してくれたんだ」と感じます。
「すごいね」というような簡単な褒め言葉では表面的に伝わり、おざなりな印象になってしまうことも。
子どもに分かりやすいよう、具体的に良いところを伝えてあげましょう。
言い換えてみましょう
- 書き取りや絵を見て「上手だね!」→「このネコの絵、特徴を丁寧に描けていて上手だね!」
- 子どもの行動を見て「すごいね!」→「自分で挑戦してみたんだね!すごいね!」
- 発表会などを見て「よかったよ!」→「○○ちゃん(くん)は毎日頑張って練習していたもんね。上手にできていてよかったよ!」
具体性があると、子どもにも「ちゃんとあなたのことを見ているよ」というメッセージが伝わり、親子間の信頼関係も深まりますね。
②子どもにインタビューして努力した点を引き出す
「具体的に、といっても子どもが喜ぶポイントが掴めない…」という方もいるでしょう。
確かに、四六時中子どものことを見てあげるのは難しいこともありますよね。
そんなときは子どもにインタビューをするように会話をし、感情を共感し、努力した点を一緒に引き出して褒めてあげましょう。
例えば…
子「今日、鉄棒できるようになったんだよ!」
親「そうなんだ!それは嬉しいよね!」
子「うん!」
親「よかったね!どんな風に練習していたの?」
子「授業中と、放課後も友達に教えてもらいながら練習したの」
親「学校終わったあとも練習していたなんて、○○ちゃん(くん)は頑張っていたんだね!友達に教えてもらえるのも素敵だなぁー」
子どもは話を聞いてもらえるのも大好きです。会話をする中で子どもの気持ちと状況を読み取り、褒められたいポイントと努力を把握することができます。
③「第三者からの褒め言葉」を利用する
本人から直接褒められるよりも、「○○さんが褒めてたよ」と伝えられたほうがより嬉しく感じた経験はありませんか?
これは心理学の「ウィンザー効果」によるものです。
ウィンザー効果とは「直接相手から伝えられるよりも、第三者から間接的に伝えられたほうが信頼性が増す」という心理的効果のことです。
子どもにも同じように、このウィンザー効果を上手に取り入れてみましょう。
例えば…
- 「担任の先生が、いつも元気でいいですねって褒めてたよ」
- 「お友達が○○ちゃん(くん)はお友達を助けていて優しいねって言ってたよ、」
- 「ママ(パパ)が、○○ちゃん(くん)が今日宿題を進んでやっていたからすごいなぁって言ってたよ」
何気なく褒められたことでも、このようにウィンザー効果で伝えることによって特別感が増しますね。
ぜひ試してみてください。
子どもの自主性を下げない!叱り方のポイント
叱り方によっては、子どものモチベーションや自主性を下げてしまうことがあります。
褒めるよりも叱るほうが難しい…と感じている親御さんも多いのではないでしょうか?
では、どのように叱れば子どものためになるのか、ポイントを3つご紹介します。
①良くなかった行動・過程を叱る
子どもの人格や能力を否定しないように注意しましょう。
叱られる要因となった行動や過程に注目し、「何が良くなかったのか」「次はどうすればいいのか」など具体的に伝えます。
言い換えてみましょう
【NG】また時間を守れてないじゃない!あなたはダメだね!
【OK】約束した時間を過ぎているよ。確認しないで遊んでいていいのかな?
【NG】また飲み物こぼしたの!?本当に不器用だね!
【OK】飲み物を持っているときによそ見をしていたのは良くないよね。
子ども自身ではなく、している行動・過程が良くないときちんと説明をすることで、次はどうしたらいいのかと子どもが考えるきっかけにもなります。
②気持ちを「アイメッセージ」で伝える
「アイメッセージ」とは、英語の「I(アイ)」つまり「私」を主語にした伝え方のことです。
反対に「ユーメッセージ」とは、英語の「YOU(ユー)」つまり「あなた」が主語となり、命令口調のニュアンスで伝わってしまいます。
そうなると子どももムッとして反発モードになり、話を聞いてくれませんね。
同じ「○○してほしい」という内容でも、アイメッセージで伝えるとやわらかい表現で伝えることができます。
言い換えてみましょう
【NG】「もう寝なさい!明日起きられないよ!」
【OK】「ママ、明日起きられるか心配だなぁ。もう寝たほうがいいんじゃない?」
【NG】「片付けなさい!」
【OK】「片付けをしてくれると、お母さんは助かるなぁ」
子どもにとってもアイメッセージでのコミュニケーションは、自分の気持ちを伝える練習になりますのでぜひ意識してみてください。
③人前で叱らない
子どもの良くない行動を見たとき、ついその場で怒りをぶつけがちになってしまいますが、よほど危険なことではない限り人前で叱ることは避けましょう。
周りに友達や人がいる状況では、「見られている」と子ども自身が萎縮してしまい冷静に話を聞くことができません。
「何がいけなかったのか」、「次はどうすればいいのか」をきちんと伝えることが大切です。
お互いに落ち着いて話をできる状況にするよう、場所に移動して伝えましょう。
まとめ
自己肯定感と自主性を高める、褒め方・𠮟り方についてのポイントをご紹介しました。
大切なのは子どもに寄り添って声かけをすることです。
子どもにとって「存在を認められている」と感じられることはとても嬉しいこと。
褒め方・叱り方の具体例をいくつか挙げましたが、どちらも子どもに寄り添うことが大切です。
その姿勢が伝わることで「お母さん(お父さん)は自分のことを思ってくれているんだな」と伝わります。
その時、その瞬間のお子さんの気持ちに寄り添って声かけをしてあげてくださいね。
公式サイト|RISU算数