私はいつものように、安静な夜を過ごしていました。
僕の住んでいるアパートは古く、多少のキシミ音や風の音には慣れていました。
しかし、ある晩、それは一変しました。
壁の向こうから
夜中の静寂を突き破るような、かすかな泣き声が聞こえてきました。
一瞬、耳を疑いましたが、その泣き声は確かに存在し、どうやら僕の部屋の壁の向こうから聞こえてきているようでした。
僕の部屋は角部屋で、その壁の向こうは何もないはずの空地でした。
どうして泣き声が聞こえるのか理解できず、深い不安に襲われました。
その泣き声は、壁を通じて私の耳に直接届くようで、どことなく切なささえ感じました。
その声がやむことなく、延々と続く中、僕はようやくその声の主を特定しました。
それは小さな子供のような、でもどこか年老いた感じのする、男の子の声でした。
彼の泣き声は、時間が経つにつれて強まり、声に込められた悲しみは僕の心を刺しました。
しかし、最も恐ろしかったのは彼が何を言っているのか理解できた時でした。
彼は、「僕を見つけて」と言っていたのです。
その言葉は僕の心に深く刺さり、不安と恐怖に打ち震えました。
しかし、彼の声は止まることなく、一晩中「僕を見つけて」と繰り返していました。
翌朝、僕はその声の主を探す決意をしました。
しかし、空地を探しても、声の主を示す何かを見つけることはできませんでした。
それどころか、壁の向こうからは、今ではすっかり馴染んだ子供の泣き声が静かに聞こえていました。
その後も、毎晩その声は僕の部屋に響き渡り、僕は次第にその存在に恐怖を感じるようになりました。
そして、その声が「本当にあった恐ろしい話」であると理解するとともに、僕の日常は深い恐怖に包まれました。
この恐怖体験は僕にとって「本当にあった恐ろしい話」であり、きっと僕の生涯忘れることのできない出来事となりました。
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