2014年3月8日、クアラルンプール国際空港を離陸したマレーシア航空370便。
乗員乗客239人を乗せて北京に向かうはずだったこの便が、離陸から50分後に突如通信を絶ちました。
この出来事は、今もなお解決されない航空史上最大のミステリーとなっています。
今回は、この事件の詳細とさまざまな仮説について紹介します。
マレーシア航空370便失踪事件
2014年3月8日、マレーシア航空370便は乗員乗客239人を乗せてクアラルンプール国際空港を離陸しました。
北京首都国際空港に向かう予定だったこの便は、離陸から約50分後に地上の管制当局との通信が途絶えます。
最後の通信があったのは午前1時30分で、その後一切の連絡が取れなくなったのです。
この事件の最大の謎は、飛行機が通信を絶った後の飛行ルートです。
目的地の北京とは反対方向の南に向かっていたことが確認されています。
さらに、ベトナム沖の上空で通信を絶った後、目的地とは逆の方向に進んだとされ、最終的にはマラッカ海峡の上空で機体が見失われました。
捜索と発見された残骸
事故直後から各国が協力して捜索が行われましたが、最初の手がかりが見つかるまでには1年以上の時間がかかりました。
2015年7月、インド洋のレユニオン島で機体の補助翼の一部が発見され、その後もインド洋の各地で機体の残骸や乗客の所持品が見つかっています。
しかし、未だにフライトデータレコーダーやコックピットボイスレコーダーの「ブラックボックス」は、発見されていません。
有力な仮説と陰謀論
- 機長のハイジャック説
ザハリエ機長によるハイジャック説は有力な仮説の一つです。
事故後、機長の自宅にあったフライトシミュレーターには、インド洋に向かう飛行ルートの模擬飛行記録が残されていました。
さらには、機長がシミュレーターのデータを一部削除している部分もあったらしいのです。
また、機長が自動応答装置のスイッチを切り、航空レーダーの範囲外で飛行コースを変えたことも確認されています。
機長によるハイジャック説が有力とされる、裏付けともなり得るのが、マダガスカル島で見つかった飛行機の部品なんです。
この部品は、約81cm✕71cmと大きめの部品で、着陸装置を機体内部に格納するためのドアに当たるものです。
そして、この部品には深い傷が内側からついていて、その傷は10cmと大きく、エンジンを回転させるブレードが当たったものだと考えられるそうです。
つまり、着陸装置が意図的に降りた状態で、墜落したと考えられるようなんです。
もし、海に安全に降りる場合は、着陸装置が降りた状態では、逆に機体が激しく海にぶつかってしまい、海の中に沈む速さを早める結果になるそうです。
機長のこの行動は、意図的なハイジャックを示唆していると仮説されています。
- マレーシアの政治情勢が絡んでいたという説
マレーシアの現首相アンワル・イブラヒム氏は、ザハリエ機長の遠い親戚のようです。
ザハリエ機長は、そのアンワル首相の熱狂的な支持者だったと言われています。
事故が起きた前日、アンワル氏が同性愛で懲役5年の判決を受けたんです。
そういった背景から、機長が飛行機をハイジャックして、アンワル氏の解放を政府とやり取りしていたのではないかという説があるんです。
アンワル首相は、ザハリエ機長と遠い親戚であることは認めた上で、政府の野党やアンワル首相本人が、この事件に関与した可能性については、はっきり否定しているようです。
新たな動きと未来の捜索
2024年3月、マレーシアの運輸省は、失踪から10年を迎えた記念集会で、機体の捜索を再開する意向を表明しました。
ブラックボックスの発見や漂流経路の特定が進めば、事故原因の解明に大きな進展が期待されます。
まとめ
マレーシア航空370便の失踪事件は、航空史上最大のミステリーとして今もなお多くの人々の関心を集めています。
機長のハイジャック説や陰謀論、そして未だに解明されていない数々の謎。
これらが解明される日は来るのでしょうか?
真相解明に向けた新たな動きが進むことを期待しつつ、私たちもこの事件の行方を注視していきたいと思います。
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