世界には近寄るだけでも命の危険にさらされる場所がいくつか存在します。
今回は、その中から特に危険な2つの場所を紹介します。
自然の脅威と人為的な影響が織り交ざり、命を危険にさらす環境が整っています。
ワシントン山
アメリカ北東部に位置するワシントン山は、ミシシッピ川以東で最も標高差のある山として知られています。
この山の頂上は、特異な気候の影響で「世界一過酷な場所」と称されることもあります。
特に恐ろしいのは、上空を通るジェット気流の影響で、年の半分はハリケーンを上回る強風が吹き荒れる点です。
1934年には風速103メートルを記録し、2010年まで世界記録として残っていました。
この強風の中、標高2000メートルに満たない山頂でも、エベレストに匹敵するほどの風速が観測されるのです。
2日に1度は風速40メートルを超える突風が発生し、体感温度は氷点下70度に達することもあります。
しかし、この厳しい環境にも関わらず、ワシントン山はハイキング地域としても人気があります。
ロードレースや観光客の訪れが絶えない一方で、死亡事故も多発しています。
特に冬のタッカーマン谷では、毎年100回ほどの雪崩が観測され、死亡事故の記録もあります。
過酷な気候の変動に対応するためには、十分な装備と知識が必須です。
どの山でも同じですが、無計画に訪れるのは自殺行為です。
ワシントン山は、その美しい景観と裏腹に、命を脅かす危険な場所なのです。
マイルス
中央アジアのキルギス共和国にある「マイルス」という街は、かつてソ連の核開発のためにウランが採掘された場所です。
1万トンものウランが採掘されたこの街は、現在高濃度の放射能に汚染されています。
ウラン鉱山が閉鎖された後も、放射性物質は適切に処理されず、そのまま土に埋められてしまったのです。
その結果、マイルスでは現在も約2万人が暮らしており、毎時150マイクロシーベルトにもなるホットスポットが存在します。
この街では他の地域と比べて発癌率が4倍も高く、子どもたちの30%が甲状腺腫瘍を患っているとされています。
また、生まれてくる子供の約10%が障害を持って生まれており、チェルノブイリでも確認されたような頭が大きく手足が発達しない子供たちや、生まれつき手足が曲がった子供たちが存在します。
政府は放射能との関連を否定し、賠償金や支援金は支払われていません。
さらに、貧困が問題となっており、キルギスの平均月収と比べてマイルスの月収は半分程度です。
そのため、多くの住民は移住もできず、放射能の影響を受けながら生活しています。
地形的にも土砂崩れや洪水が多発する地域であり、さまざまな危険が潜んでいます。
そんな中で懸命に生きる人々がいることを忘れてはなりません。
マイルスは決して軽い気持ちで訪れるような場所ではないのです。
まとめ
観光や冒険心で訪れるにはあまりにもリスクが高すぎます。
それぞれの場所に潜む自然の脅威と人為的な危険を理解し、安易な考えで足を踏み入れないようにしましょう。
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