日本には、歴史と自然が交錯する禁足地がいくつも存在します。
今回は、日本でも特に危険な禁足地、絶対に近づいてはならいない場所を紹介します。
気軽に足を踏み入れてはダメですよ!
南硫黄島
南硫黄島は、日本の小笠原諸島に位置する無人島で、約3万年前に誕生した非常に若い火山島です。
この島は、東京都小笠原村に属しており、その全域が立ち入り禁止区域とされています。
日本政府によって天然記念物および自然環境保全地域に指定されているため、一般人だけでなく、関係者ですら厳重な規制のもとでしか上陸できません。
過去に南硫黄島への上陸が許されたのは、数えるほどしかなく、そのすべてが科学的調査を目的としたものでした。
2017年の調査では、持ち込む物品すべてが徹底的な検疫処理を受け、上陸者は事前に厳しい行動制限を課されました。
調査の過程では、物品の持ち込みに際して、エタノール洗浄や高温処理などが行われ、さらに荷物は生物が侵入しないよう厳重に封印されました。
これほどの厳しい対策が求められる理由は、南硫黄島が未だに人の手がほとんど加えられていない、貴重な原生自然を保っているからです。
この島には、新種を含む絶滅危惧種がいくつも発見されており、その生態系を守るために、外来種の侵入を徹底的に防ぐ必要があります。
また、島内は整備されておらず、断崖絶壁がそびえ立つ、過酷な環境が広がっています。
人間の存在が自然に及ぼす影響を最小限に抑えるために、南硫黄島はまさに「人間の手から守られるべき地」と言えるでしょう。
観光や冒険心に駆られてこの島に近づくことは、自然環境への大きなダメージを引き起こしかねません。
私たちがこの未開の地に思いを馳せることは自由ですが、実際に足を踏み入れることは絶対に避けるべきです。
人穴富士講遺跡
静岡県富士宮市にある人穴富士講遺跡は、富士山の噴火によって形成された溶岩洞窟で、その全長は約83メートルに及びます。
この場所は、かつて富士講と呼ばれる信仰の拠点として聖地化され、多くの人々が訪れました。
しかし、この洞窟には不思議な曰くが多く、特に鎌倉幕府の2代将軍、源頼家が関与した霊的体験が記録されています。
吾妻鏡に記された記述によれば、頼家が派遣した武士たちは洞窟内で霊的な体験をし、そのうちの4人が謎の死を遂げたとされています。
また、織田信長もこの洞窟を訪れた記録が残っています。
このように、歴史的な背景と心霊現象が交錯する人穴富士講遺跡は、2013年に世界文化遺産に登録されました。
しかし、事前予約すれば土・日・祝日で、ガイド付きでの見学が可能です。
困ったことに、心霊スポットとしての噂が絶えず、夜中に肝試し目的で侵入する人々もいます。
洞窟内では「黒い人影が見えた」「笑い声が聞こえた」などの目撃談が後を絶たず、さらに鳥居を車でくぐると帰り道で事故に遭うという噂まで広まっています。
このような伝承があるため、肝試しの聖地とも言える場所になってしまっています。
しかし、実際に侵入し怪我をしたり、遺跡を損壊することは、重大な問題を引き起こす可能性があることを忘れないでください。
まとめ
南硫黄島と人穴富士講遺跡は、それぞれ異なる背景を持ちながらも、共通して立ち入りが厳しく規制された場所です。
禁足地には絶対に立ち入らず、その神秘に思いを馳せることで、自然や歴史に対する敬意を忘れずにいましょう。
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