「華族」って一体何?どうしてあんなに特別な存在なの?
実は、華族って明治時代に誕生した超特権階級なんです。
今回は、虎に翼で桜井ユキさん演じる華族令嬢・桜川涼子の背景を通して、華族という存在の歴史や特権、そしてその影響について紹介します。
特権階級「華族」
『虎に翼』で注目を集める桜川涼子、彼女は一言で言えば、明治時代から昭和にかけて存在した「華族」という特権階級に属する令嬢です。
ドラマの中で見られる彼女の優雅な暮らしや、周囲からの特別な注目は、現代の私たちにとってはちょっと驚きの世界かもしれません。
華族とは?
華族は、明治時代に誕生した日本の特権階級のことを指します。
1869年、明治政府は日本を近代国家として整備するために、旧来の身分制度を一新しました。
従来の公家(天皇に仕える貴族)や武家(武士たち)の称号を廃止し、代わりに「華族」という新たな貴族階級を設けたのです。
華族はその後、1884年に「華族令」によってさらに明確な階級が定められました。
■ 華族の階級
- 公爵
- 侯爵
- 伯爵
- 子爵
- 男爵
5つの爵位が設けられ、それぞれの家がどのランクに属するかで社会的な地位が決まっていました。
公爵は、公家のなかでも代々、朝廷の高官を務めてきた摂家(せっけ)と呼ばれた5つの一族、江戸幕府の将軍を輩出してきた徳川宗家、明治維新で活躍した薩摩藩藩主の島津家や、長州藩藩主の毛利家などです。
例えば、桜川涼子の家は「男爵」というランクに位置していましたが、それでも一般庶民とは比べ物にならないほどの高い身分でした。
涼子の家柄と華族令嬢の生活
華族令嬢は、家柄の良さだけでなく、ファッションセンスや立ち居振る舞いまでが常に注目の的。
彼女のような華族令嬢は、当時の社会ではまるで現代のセレブやアイドルのような存在でした。
特に涼子は、海外での生活経験もあり、英語が堪能で成績も優秀。
彼女のその完璧さは、周囲からも一目置かれる存在として描かれています。
涼子が新入生代表として挨拶をする場面では、メディアがこぞって取材に訪れ、彼女の写真が雑誌に掲載されるなど、その人気ぶりがよくわかりますね。
でも、華族令嬢にとっては、この特別な扱いが必ずしも嬉しいわけではないようです。
彼女のような家柄が理由で、華族令嬢にとってはプレッシャーも少なくありませんでした。
華族の特権と苦悩
華族としての生活は、一見すると優雅で特別なものに見えますが、その一方で特権階級ならではの苦悩もありました。
華族にはいくつかの大きな特権がありましたが、特に重要だったのが「財産」「政治」「教育」の3つです。
財産については、華族の財産は法的に守られており、他者から差し押さえられることがありませんでした。
このため、親から子へと財産が引き継がれ、家の繁栄が続いていました。
政治の面では、華族は選挙に参加せずとも政治に関与できるという特権がありました。
華族は「貴族院」という議会に属しており、ここでは選挙で選ばれた人々の議会である「衆議院」とは別に、重要な政治決定に関わることができたのです。
そして教育の面では、華族の子供たちは特別な教育を受けることができました。
彼らは「華族学校」(現在の学習院)に無試験で入学でき、進学も約束されていました。
つまり、華族であるだけでエリートコースが保証されていたのです。
しかし、こうした特権には代償もありました。
特に女性の場合、家の名誉を守るために厳しい行動制限が課されることもありました。
華族の廃止
華族制度の終焉は、第二次世界大戦終戦後の1947年、連合国による日本の占領政策の一環として始まりました。
占領軍の目的の一つは、日本社会の民主化を推進することであり、その一環として、旧制度下の特権階級である華族制度の廃止が命じられたのです。
華族制度の廃止により、華族はその特権を一掃され、他の一般国民と同じ地位となりました。
政治的な影響力、財産、教育面での特権など、かつて彼らが享受していたすべての特権は取り消され、彼らは一般の国民として新しい生活を始めることを余儀なくされました。
これは、80年に及ぶ華族の存在を終わらせると同時に、日本社会の大きな変化を象徴する出来事でした。
華族制度の終焉は、社会の均等化を促進し、現代の日本社会が形成される一因となりました。
華族という存在が現代に与えた影響
華族制度は、1947年の日本国憲法の施行により廃止されましたが、その影響は今も残っています。
当時の華族たちは、日本の文化や外交に大きな影響を与え、華族出身の人々が文学や芸術、政治の分野で活躍したことも、日本の近代史において重要な役割を果たしています。
当時の華族たちの生活や考え方を知ることで、私たちは現代の社会と過去とのつながりをより深く理解することができるのです。
まとめ
NHK朝ドラ『虎に翼』で描かれる桜川涼子の華族令嬢としての姿は、明治時代の特権階級「華族」の存在を垣間見ることができます。
華族という身分は、当時の日本において特別な意味を持っており、その特権と苦悩は現代の私たちにとっても学ぶべき点が多くあります。
華族という存在がどのように日本の歴史に影響を与えたのか、ぜひとも考えてみてください。
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