2014年、世界を震撼させた「マレーシア航空370便(MH370)失踪事件」。
239名を乗せた大型旅客機が突然レーダーから消え、行方不明となったこの事件は、今でも解決されていない航空史上最大のミステリーです。
多くの仮説が飛び交い、膨大な捜索活動が行われましたが、真実は未だベールに包まれたまま。
なぜ、MH370便は消えたのか?
マレーシア航空370便(MH370)失踪事件とは
2014年3月8日、マレーシア航空370便は、クアラルンプール国際空港を午前0時42分に離陸し、北京首都国際空港に向かう予定でした。
飛行機には227名の乗客と12名の乗員が搭乗しており、天候も良好で、通常のフライトになるはずでした。
しかし、飛行から約1時間後の午前1時30分頃、MH370便はマレーシアとベトナムの航空管制の交代時に最後の通信を行い、その後突然レーダーから姿を消します。
世界中がこの行方不明事件に注目、国際的な捜索が開始されました。
初めは南シナ海上空での墜落が疑われていましたが、後にインド洋南部に墜落した可能性が高いことが分かり、捜索範囲は広大な海域に拡大されました。
この事件の最大の謎は、飛行機が通信を絶った後の飛行ルートが、目的地の北京とは反対方向の南に向かっていたことです。
さらに、ベトナム沖の上空で通信を絶った後、最終的にはマラッカ海峡の上空で機体が見失われました。
事件発生から年月が経つにつれ、事故ではなく何らかの陰謀が関与しているのではないかという説も飛び交うようになってきました。
大規模な捜索と発見された破片
MH370便の捜索は航空史上最大規模となり、26か国以上が参加しました。
数ヶ月にわたる捜索活動にもかかわらず、2015年7月まで飛行機の残骸は発見されていませんでした。
しかし、ついにインド洋のレユニオン島で機体の一部であるフラッペロン(翼の一部)が発見されます。
この発見により、飛行機がインド洋に墜落したことがほぼ確実と推測されました。
その後も、モザンビークやマダガスカル近辺で機体の破片が見つかりましたが、未だにフライトデータレコーダーやコックピットボイスレコーダーの「ブラックボックス」は、発見されていません。
このことから、正確な墜落地点や事件の詳細は依然として謎に包まれたままです。
様々な仮説
MH370便の失踪に関しては、多くの理論や仮説が浮上しました。
代表的な仮説には次のようなものがあります。
- パイロット自殺説
パイロットが意図的に飛行機を遠隔地へ向かわせ、最後にはインド洋に墜落させたという説。飛行機が手動で飛行コースを変更した証拠があり、この仮説は強く支持されていますが、確実な証拠は見つかっていません。 - ハイジャック説
何者かが飛行機をハイジャックし、意図的に通信を遮断し、飛行機を遠隔地に飛ばした可能性もあります。この説も検討されましたが、乗客名簿には不審な人物はいなかったため、信憑性は低いとされています。 - 技術的な故障説
飛行機のシステムトラブルや火災により乗員が意識を失い、飛行機が自動操縦で長距離を飛行した後、燃料が尽きて墜落したという仮説もあります。しかし、通信が意図的に遮断された点がこの説を否定する要因となっています。 - 陰謀論
一部では、軍事的な理由で撃墜された、あるいは秘密裏に回収されたなどの陰謀論も存在しますが、確固たる証拠がないため信頼性は低いとされています。
現在の状況と未解決の謎
2017年、オーストラリア政府は公式捜索を終了しましたが、家族や民間の捜索団体は依然として真相を求めて活動を続けています。
事件から10年近くが経過しているものの、MH370便の完全な解明には至っていません。
なぜ、MH370便は消えたのか?
誰もが持つこの問いに対する答えはまだ見つかっておらず、航空史に残る最大の謎として語り継がれています。
まとめ
マレーシア航空370便(MH370)の失踪事件は、乗客239名の家族にとって深い悲しみをもたらしました。
多くの理論や仮説が提案されましたが、真実は未だ解明されておらず、事件は世界中で関心を集め続けています。
技術の進歩や新たな証拠が出ることを待ちながら、私たちはこのミステリーの結末を見守り続けるしかありません。
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