インターネット社会が進む現代、私たちは日常的にサイバー空間で生活しています。
そして、ハッカーによる攻撃は時としてこのデジタル空間を大混乱に陥れることがあります。
今回は、世界中を震撼させた2つの大規模ハッキング事件を紹介します。
世界中を震撼させたハッキング事件
ワナクライ(WannaCry)ランサムウェア攻撃
2017年5月、全世界を巻き込むサイバー攻撃が発生しました。
それが「ワナクライ(WannaCry)ランサムウェア攻撃」です。
この事件では、約150か国で数十万台のパソコンが感染し、大規模なシステムダウンやデータの暗号化による業務停止が相次ぎました。
特に、イギリスのNHS(国民保健サービス)が大打撃を受け、患者の診察や手術が延期されるという前代未聞の事態が発生。
ワナクライとは、パソコンのデータを暗号化し、それを元に戻すために暗号通貨ビットコインで身代金を要求するランサムウェアです。
このランサムウェアは、Microsoft Windowsの脆弱性を突いて急速に拡散し、医療機関、企業、政府機関などがターゲットとなりました。
ワーム型と呼ばれる自己増殖するプログラムで、LAN経由で次々と感染しました。
この事件が与えた教訓は、ソフトウェアの更新やセキュリティ対策の重要性です。
多くの感染が、適切な更新が行われていなかったために発生しました。
サイバーセキュリティの脅威が急速に進化している現代では、個人でも企業でも、セキュリティ意識を高める必要があることが浮き彫りになった事件です。
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントへのハッキング事件
映画業界を直撃したハッキング事件、2014年の「ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントへのハッキング事件」です。
この事件は、映画『ザ・インタビュー』が北朝鮮を風刺した内容だったため、北朝鮮との関連が疑われましたが、実行者に関しては明確な結論は出ていません。
実は、事件前にSony Picturesの幹部宛に、脅迫文が送られていました。
We’ve got great damage by Sony Pictures.
The compensation for it, monetary compensation we want.
Pay the damage, or Sony Pictures will be bombarded as a whole.
You know us very well. We never wait long.
You’d better behave wisely.
From God’sApstls
(日本語訳:
我々はSony Picturesによって大きな損害を受けた。
埋め合わせに、賠償を求める。
賠償しなければ、Sony Pictures全体が攻撃を受けるであろう。
君たちは我々をよく知っている。我々は長くは待たない。
賢く行動したまえ。
God’sApstlsより)
この攻撃では、ソニーの社内データや未公開の映画作品、さらには従業員の個人情報や内部のメールまでもが外部に流出。
さらに、ハッキングによる被害で1500万ドル(約16億円)もの損失を出しました。
結果的に、多くの機密情報が公にされ、企業としての信頼が大きく損なわれました。
さらに、このハッキングの影響はソニーの業務に大きな支障をきたし、ハリウッド業界全体に緊張感をもたらしました。
ソニーはこの攻撃によって巨額の損失を被り、今後の映画業界におけるサイバーセキュリティの重要性が強調されることとなりました。
まとめ
サイバー攻撃がどれだけ深刻な影響を与えるかを如実に示した事件です。
ハッカーが技術を駆使して社会全体を混乱させる可能性があることを教えてくれました。
私たちはこうした事例から学び、セキュリティ対策をしっかりと行うことが、今後のリスクを軽減する鍵となるでしょう。
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