想像してみてください、あなたが巨大な図書館にいるとします。
この図書館には、無数の本があります。
それぞれの本は、異なる物語、異なる現実を描いています。
マルチバースの理論は、この図書館のようなものです。
我々の宇宙は、その中の一冊の本に過ぎません。
並行世界の科学的根拠
ここで重要なのは、「重ね合わせの原理」と「波動関数の崩壊」の二つの概念です。
量子力学がこの図書館にどう関連するのでしょうか?
量子力学は、物事が同時に複数の状態に存在できるという考え方です。
例えば、ある粒子は同時に「ここ」にも「そこ」にも存在できるのです。
この理論を図書館に当てはめると、あなたは同時に多くの本を読んでいることになります。
そして、それが観測されると、波動関数の崩壊が起こり、粒子は一つの状態に「落ち着く」のです。
このように、量子力学とマルチバースの理論は、我々の理解を超えた多次元の現実を描き出します。
しかし、ここで疑問が生じます。
粒子が観測される前には複数の状態に存在していたのに、なぜ観測すると一つの状態になるのでしょうか?
これが量子力学の最も不思議な部分であり、誰もが納得する解答はまだ見つかっていません。
この問いに対する一つの答えが、「多世界解釈」です。
この解釈によれば、全ての可能性が実現する世界が存在するとされます。
つまり、粒子が観測されたとき、その粒子が存在できる全ての状態が実際に存在する別々の世界に分岐するのです。
このため、世界は常に新しい並行世界に分かれ続けていると考えることができます。
まとめ
並行世界は科学者たちの間でも議論が分かれるテーマです。
量子力学の「多世界解釈」が本当に正しいとすれば、我々の世界は無数の並行世界に囲まれているかもしれません。
しかし、その実証はとても難しく、現在の科学の力ではまだ確証することは出来ません。
このような謎と探求心が科学を進化させていきます。
我々が今、生きている世界がただ一つであるとは限らないという考え方は、新たな視点と可能性をもたらし、未知の世界への扉を開くかもしれません。
あわせて読みたい|マタイク