「絶対に近づくな!」と言われると、かえって行ってみたくなるのが人間の性。
特に、禁足地とされる場所にはどんな魅力や謎が潜んでいるのか、興味が尽きません。
しかし、これらの場所はただの観光地ではなく、歴史的、宗教的、あるいは軍事的な理由で立ち入りが厳しく制限されています。
今日は、日本に実在する禁足地を紹介します。
三輪山
三輪山(みわやま)は奈良県桜井市に位置し、標高467メートルの山です。
この山は「大神神社(おおみわじんじゃ)」の御神体として崇められ、古くから神聖な場所とされています。
三輪山にまつわる神話は『古事記』や『日本書紀』にも記されており、出雲の大国主神と共に国づくりをした大物主神が祀られています。
三輪山はその神聖さゆえに、江戸時代には特に禁足が厳しく、神の呼びかけを受けた者だけが入山を許されました。
しかし現在では、大神神社の許可を得れば登拝が可能ですが、非常に厳しいルールがあります。
まず、登拝は参拝目的に限られ、観光目的では認められません。
また、登拝時間は午前9時から正午まで、下山報告は午後3時までに行う必要があります。
入山前には必ずお祓いを受け、登拝中は水分補給以外の飲食、写真撮影、草木や石の持ち帰りなどが禁止されています。
さらに、タバコや火気の使用も厳禁です。
興味深いのは、下山後に入山中の出来事を他言しないという暗黙の了解があることです。
これは、神聖な体験を他人に語るべきではないという古来からの考え方に基づいています。
多くの登拝者は、粛々と静かに山を登り、神の宿るこの場所に敬意を表しています。
登拝を希望する場合は、狭井神社で住所、氏名、緊急連絡先を記入し、300円の登拝料を支払ってタスキを受け取ります。
これを身につけて、お祓いを受けた後に入山することができます。
神聖な体験をするためには、慎重な準備と心構えが必要です。
ハーディバラックス
ハーディバラックスは東京都港区六本木にある在日米軍基地の一部で、地図上では「赤坂プレスセンター」や「星条旗新聞社」として知られています。
この場所は普段あまり知られていませんが、都内に残る数少ない在日米軍基地の一つです。
もともとこの場所は大日本帝国陸軍の歩兵第3連隊の敷地でしたが、戦後にGHQが接収し、現在まで在日米軍基地として使用されています。
ハーディバラックスにはヘリポートや宿泊施設、米軍準機関紙「星条旗新聞」などがあり、在日米軍の情報が集まる重要な拠点となっています。
最先端技術の研究者もあることから、在日米軍基地の中でも重要な役割を持つ場所と言えます。
この施設の重要性から、一般人の立ち入りは禁止されており、勝手に入れば不法侵入となります。
間違えれば、スパイやテロ等の容疑もかけられかねない事態になります。
特にヘリポートは、日本の救急搬送にも使用されているため、運用に際しては厳重な管理が求められています。
しかし、近隣住民や東京都からは、敷地の全面返還やヘリポートの撤去が求められており、騒音問題や事故の危険性が指摘されています。
一般人が立ち入れないこの場所には、米軍関係者のみが利用できる宿泊施設があります。
宿泊費は日本の思いやり予算で賄われているため、非常に安価に設定されています。
しかし、米軍基地内の施設であるため、他国の軍事基地という特性上、情報漏洩や安全性の確保が最優先されており、一般の利用は厳しく制限されています。
まとめ
三輪山とハーディバラックス、どちらも異なる理由で禁足地とされています。
どちらもその背景に歴史や軍事的な理由があり、決して軽々しく立ち入ってはいけない場所です。
興味本位での侵入は絶対に避け、これらの禁足地に対する敬意と理解を持つことが大切です。
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