冥界への入り口やあの世とこの世の境目が、あなたの身近な場所に存在するとしたら…。
今回は、日本に実在する冥界への入り口をご紹介します。
これらの場所には、古くからの伝説や不思議な現象が数多く伝えられています!
黄泉比良坂
島根県東出雲町に存在する「黄泉比良坂」は、古事記や日本書紀に登場する黄泉の国、つまり死者の国と現世がつながる入り口とされる場所です。
国道9号線沿いにあり、松江方面から安来方面へ向かうと「黄泉比良坂 徒歩3分」と書かれた標識が見えてきます。
人通りの少ない薄暗い山道を進むと、細いしめ縄で結ばれた2本の石柱が現れます。
ここが「黄泉比良坂」です。
石柱の先には石碑が置かれ、その奥には巨大な2つの石があり、ただならぬ雰囲気を漂わせています。
この場所は、古事記や日本書紀に登場するイザナギとイザナミの伝説とも深い関係があります。
イザナギが亡き妻イザナミに会うために黄泉の国へ向かい、帰還する際に黄泉比良坂にあった大きな岩で通り道を塞いだとされています。
黄泉比良坂の雰囲気やその歴史的背景から、訪れる際には注意が必要です。
特に写真撮影は控えた方がいいでしょう。
写ってはいけないものが写り込む可能性が…夜に訪れるとその雰囲気に圧倒され、怖さを一層感じること間違いなしです。
雄島
宮城県宮城郡松島町にある小さな島「雄島」は、全国から遺骨が運ばれ埋葬されるという風習が続いていた聖なる島です。
松島の美しい景観は、日本三景の一つとしても知られ、松尾芭蕉ですら句を詠むことができなかったと伝えられています。
そんな松島の中にある島の一つが雄島で、「松島の奥の院」とも呼ばれています。
雄島は1000年以上前から死者供養の霊場として有名な場所で、その幻想的な景観から「極楽浄土に近い場所」や「冥界への入り口」として信じられてきました。
この島は亡くなった人の極楽浄土を願って、遺骨を埋葬する習慣もあり、この風習は明治時代まで続きました。
松島は浄土への迎えを「待つ島」という意味合いもあったそうだ。
頼賢という僧はこの島に22年間住み続け、経を唱え続けたと伝えられ、その徳行を伝えるために建てられた「頼賢の碑」は国の重要文化財にも指定されています。
今でも骨のかけらが多数発見され、近くの海中からは故意に沈められたと推定される大量の石碑が発見されています。
これらの歴史的背景から、雄島は訪れる際に敬意を払うべき場所です。
恐山
青森県むつ市にある「恐山」は、日本三大霊場の一つで、心霊スポットとしても名高い場所です。
恐山は一つの山ではなく、宇曽利山湖を中心として広がる8つの山の総称です。
「あの世に最も近い場所」として昔から信仰され、あの世への入り口と考えられてきました。
恐山には、死者の霊を呼び寄せるイタコがいることでも有名です。
霊感のある人であれば、多くの霊を見ることができると言われ、数多くの心霊体験が報告されています。
恐山には「地獄」と「極楽」が存在し、地獄巡りをすることができます。
赤い「太鼓橋」の下には、硫黄を多く含む川が流れており、これが「三途の川」と呼ばれています。
恐山は、観光地であると同時に、あの世とこの世が繋がっている場所としても信じられています。
そして注意点があり、恐山にある「三途の川の石は絶対に持ち帰ってはいけない」と言われている。
霊を…一緒に持ち帰ってしまうそうです…。
そのため、訪れる際には霊を連れて帰らないように注意が必要です。
まとめ
今回は、日本に実在する冥界への入り口を紹介しました。
黄泉比良坂、雄島、恐山のいずれも、その歴史や伝説、そして現地の雰囲気から特別な場所であることが分かります。
これらの場所を訪れる際には、敬意を持ち、不適切な行動は避けるようにしましょう。
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