今や世界中で使われているiPhoneですが、日本で発売される際には意外な壁がありました。
AppleがiPhoneを発表した2007年当時、日本にはすでに似た名前の商標を持つ会社が存在、愛知県名古屋市に本社を置くインターホンメーカー「アイホン株式会社」です。
世界的企業と日本の中堅メーカー、一見すると勝負にならないように思える両者ですが、商標の世界では事情が違いました。
iPhoneより先に存在していた「アイホン」
アイホン株式会社は1950年代から「アイホン」「AIPHONE」というブランド名を使用しており、日本では長年商標権を維持していました。
商標は基本的に早い者勝ちの権利で、どれだけ企業規模が大きくても、既存の商標を無視して使うことはできません。
Appleは日本でiPhoneを展開するため、アイホン側との調整が行われ、日本でiPhoneの名称を使える形を整えたとされています。
その際に用いられたとされるのが「専用使用権」という仕組みで、これは通常のライセンスより強い権利で、一定範囲では特定の企業が独占的に商標を使えるようにする契約です。
ロイヤリティの真相とこの話が語られる理由
このエピソードでよく語られるのが、Appleからアイホンに支払われたとされるロイヤリティです。
ただし、契約の詳細は公開されていません。
アイホンの決算資料にはロイヤリティ収入が存在することが確認されていますが、それがすべてiPhone関連なのか?継続的な支払いなのか?は明らかになっていません。
そのため、金額や支払い形態については推測の域を出ないのが実情です。
重要なのは金額の多寡ではなく、この出来事が示している構造で、商標は単なる名前ではなく、時間をかけて積み上げられた権利であり、企業の規模とは別軸で効力を持ちます。
実際、Appleは他国でも商標問題に直面しており、名前を巡るトラブルは珍しいものではありません。
どれだけ巨大な企業でも、先に存在する権利の前では調整が必要になるのです。
アイホンにとっては、1950年代に取得した商標が半世紀後に思わぬ価値を持ったことになります。
これは商標が長期的な資産になり得ることを示す象徴的な事例と言えるでしょう。
まとめ
商標問題は、世界では珍しくない知的財産の構図です。
ロイヤリティの詳細は非公開のままですが、この出来事が示したのは、名前ひとつでも大きな価値を持ち得るという事実です。
半世紀前の商標が、後の時代に世界企業と交差する…iPhoneの裏側にはそんな知的財産の面白さが隠されています。
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