初詣でのお賽銭、10円は縁が遠のくからダメ、115円が最強らしい、そんな話を一度は聞いたことがある人も多いはずです。
SNSやショート動画で広まる、お賽銭の金額ルールですが、実はその多くが語呂合わせによる言葉遊び、では本当に入れて良い金額と悪い金額は存在するのでしょうか?
縁起がいいとされる金額はどこから来たのか?
まず、多くの人が知っているのが5円玉です。
ご縁がありますように、という語呂合わせから最も定番として定着しました。
そこから派生して、15円「十分ご縁がありますように」、25円「二重にご縁がありますように」、45円「始終ご縁がありますように」といった金額が広まりました。
これらはすべて後付けのダジャレであり、宗教的な由来があるわけではありません。
最近よく見かけるのが115円です。
「いいご縁がありますように」という意味を持ち、風水的にも最強と紹介されることがありますが、これも特定の思想や神社が推奨しているわけではなく、SNS発祥の説です。
つまり、縁起がいい金額とされるものは、日本人が語呂合わせを楽しむ文化の中で生まれた雑学に近い存在だと言えます。
入れてはいけないと言われる金額は本当にダメ?
一方で、悪いとされがちな金額も数多く語られています。
代表的なのが10円で、円=縁から遠ざかるから縁起が悪いと言われますが、これは完全な俗説で神社側が公式に否定しているケースもあります。
さらにネットでは、65円「ろくなご縁がない」、75円「泣くご縁」、95円「苦しいご縁」といった説も見かけますが、これらは完全に言葉遊びの延長であり、歴史的根拠はありません。
中には、嫌いな人には65円を勧めようなど、半分ネタとして消費されているものも多く、本気で信じる必要はまったくない話です。
神社の立場としては、どの金額であっても失礼に当たることはないというのが共通した見解です。
本当に大切なのは金額ではなく気持ち
では、神社や神職の方々はお賽銭をどう考えているのでしょうか。
多くの神社関係者が口をそろえて言うのは、「お賽銭はお願い事の対価ではなく、感謝の気持ちを表すもの」という考え方です。
つまり、高額だからご利益が増える、安いから失礼、この金額でなければダメ、といったルールは本来存在しません。
500円玉を入れてはいけない、効果がない、という話も事実ではなく、無理のない範囲で気持ちを込めることが何より大切です。
語呂合わせを楽しむのは悪いことではありませんが、それに振り回されて「この金額で合っているだろうか」と不安になる必要はないのです。
まとめ
初詣のお賽銭に、入れて良い金額と悪い金額という明確な正解は存在しません。
多くは語呂合わせによる言葉遊びであり、SNSや雑談を盛り上げるための雑学です。
本来大切なのは、自分なりの気持ちで手を合わせることが、最もご利益のある初詣と言えるでしょう。
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