40歳以上お断り、25歳以上限定、近年東京を中心に年齢制限を設けた居酒屋が増えているのをご存じでしょうか?
一見すると差別的にも感じられがちなこのルールですが、そこには飲食業界ならではの現実とSNS時代ならではの合理的な戦略が隠されています。
なぜ年齢制限居酒屋が生まれたのか
東京都内、特に渋谷エリアを中心に、年齢制限を設けた居酒屋が相次いで登場、「20〜39歳限定」「25歳以上のみ」「40歳以上入店不可」など、誰でも入れる居酒屋とは明らかに異なるスタイルは注目を集めています。
例えば渋谷のある居酒屋では、入店を20〜39歳に限定し、店内客の約9割が20代で狙い通りの客層を形成しているといいます。
若者がワイワイ飲むスタイルと、静かに飲みたい層との間で摩擦が生まれるなら、最初から客層を分けた方が双方にとってストレスが少ない、そう判断した結果が年齢制限だったのです。
一方で、同じく渋谷にある炭火焼き料理店では、25歳以上限定というルールを設け、大人が落ち着いて食事を楽しめる空間づくりを目指しています。
つまり、年齢制限居酒屋の本質は排除ではなく、空間の質を守るための線引きだと言えるでしょう。
SNS時代が生んだ年齢制限という合理的な答え
年齢制限居酒屋が増えた最大の理由は、実はSNSとネット社会の発達にあります。
現代では、食べログやGoogleマップ、TikTok、Instagramなどで、店の内観・雰囲気・口コミを事前に見てから店を選ぶのが当たり前になりました。
その結果、本来ターゲットではない客層が、雰囲気だけを見て来店してしまう現象が頻発するようになったのです。
たとえば、大人向けの静かな店に学生が来る、若者向けの騒がしい店に落ち着いて飲みたい大人が来る、こうしたミスマッチが起きると、「思っていた雰囲気と違った」「うるさい」「居心地が悪い」といった低評価レビューにつながり、店のブランドに大きな悪影響を及ぼします。
それを防ぐため、店側は誰向けの店なのかを、年齢という分かりやすい基準で示すようになったのです。
つまり年齢制限は、差別ではなくブランドイメージを守るためのマーケティング戦略とも言えるでしょう。
これは、年齢で切るというより、店の空気に合うかどうかを可視化しているだけとも言えます。
まとめ
年齢制限の実態は、SNS時代に適応した飲食店の進化形とも言えるもので、年齢制限で人を排除するためのものではなく、店の空間価値と居心地を守るための合理的な手段なのです。
誰でも入れる店から、「どんな人に、どんな時間を提供したいか」を明確にする店へ、飲食業界が量の集客から質の空間設計へとシフトしている証拠とも言えるでしょう。
自分に合った居場所を選べる時代、年齢制限居酒屋はその象徴的な存在なのかもしれませんね。
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