昭和歌謡を聴き返すと、思わず二度見してしまう歌詞や演出に出会うことがあります。
でもそれは、単なる無法地帯ではなく当時の空気、価値観、反骨精神、そしてエンタメとしての強度が詰め込まれているからこそ、今も語り継がれているんです。
今回は、今の感覚だとアウト寄り?でもファンなら歓喜せずにいられない昭和の名曲を紹介します。
スモーキン’ブギ/ダウン・タウン・ブギウギ・バンド
「目覚めの一プク 食後の一プク 授業をサボって喫茶店で一プク」、今なら確実に物議を醸すこのフレーズですが、1970年代当時は不良性=カッコよさの象徴でした。
宇崎竜童率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンドの3rdシングルとして発売され70万枚超の大ヒット、ロック×歌謡×アウトロー文化が見事に融合し、昭和の若者たちの息苦しさを代弁した一曲です。
コンプラ的には完全に黒?でも時代を切り取るドキュメントとしての価値は今なお健在です。
カサブランカ・ダンディ/沢田研二
「ききわけのない女の頬を ひとつふたつ はりたおして」、この一節だけで現代なら即アウト判定でしょう。
しかし当時のジュリーは、危うさ・色気・支配性をすべて演出として昇華する稀有な存在、ウイスキーを口に含み、霧のように噴き出すステージパフォーマンスも話題を呼び、ダンディという言葉を体現した男でした。
これは暴力賛美ではなく、昭和の大人の恋愛像を極端に描いた歌謡劇、そう捉えると見え方が少し変わってきます。
セーラー服を脱がさないで/おニャン子クラブ
「セーラー服を脱がさないで、胸のリボン、ほどかないでね、男の子はその時、どうなるの?、興味津々しちゃうのよ、AH、不思議ね、ちょっぴり怖いけど、バージンじゃつまらない、オバンになっちゃうその前に、美味しいハートを食べて」昭和アイドル史において、避けては通れない問題作、好奇心を刺激する歌詞、ギリギリを攻めた世界観は当時の男子中高生を熱狂させました。
今読み返すとかなり攻撃力が高いのも事実、それでもこの曲が秋元康プロデュース初期の象徴であり、清純×背徳というアイドル文法を決定づけた歴史的楽曲であることは間違いありません。
是非はさておき、昭和という時代のリアルが詰まった一曲です。
関白宣言/さだまさし
「俺より先に寝てはいけない 俺より後に起きてもいけない メシは美味く作れ いつも綺麗でいろ」、現代なら炎上必至、でも曲のラストまで聴くと印象は変わります。
実はこの歌、不器用な男の愛情表現を描いた家庭内ラブソング、最後には「できる範囲で構わないから」と添えられ、完璧ではない夫婦像を優しく肯定しています。
昭和の価値観そのものですが、人間臭さがあるからこそ、今も語り継がれる名曲です。
まとめ
昭和の歌謡曲は、今の基準で測ると確かに危うい、でも同時に時代の空気・欲望・本音をここまで正直に刻んだ音楽も、そう多くありません。
コンプラ無視?それでも名曲、だから私たちは今も昭和歌謡に惹かれてしまうんです。
懐かしさと驚き、そしてちょっとしたスリル、それを味わうのも昭和歌謡の正しい楽しみ方かもしれませんね。
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