YouTube上で、政党のCM動画が次々と異常な再生数を記録しています。
1億再生に迫る動画、数百万回再生される短尺CM、その数字を見て、これほど支持されているのか?と感じた人も少なくないでしょう。
しかし、その再生数は本当に民意を映しているのでしょうか?
再生数が爆発する理由は人気ではない
政党CMの再生数が異常な伸び方をする最大の理由は、YouTubeの仕組みそのものにあります。
多くの人が見落としがちですが、これらの動画は一般的な投稿動画ではなく、YouTube広告として配信されているケースがほとんどです。
広告動画の場合、別の動画を見ている途中に差し込まれ、スキップ前の数秒が再生数としてカウントされます。
実際、自由民主党関連の動画では、1億再生に迫る数字と、控えめすぎる反応数との間に大きな乖離が見られます。
これは操作や不正ではなく、広告を大量に回せば誰でも起こせる現象です。
つまり、再生数の多さは人気の証明ではなく、どれだけ広告を投入したかを示す指標に近いものだと言えるでしょう。
バズる政党CMに共通する特徴
とはいえ、広告を出せばどんな動画でも同じように再生されるわけではありません。
再生数を伸ばしやすい政党CMには、明確な共通点があります。
それは、主張が極端にシンプルで、感情に直接訴えかける内容になっていることです。
例えば、日本保守党のCMでは、移民政策について「このままでは日本がダメになる」「もう移民は入れない」といった、非常に分かりやすい言葉が使われています。
背景説明や複雑な政策論はほとんどなく、視聴者は一瞬で賛成か反対かを判断できます。
この構造は、若年層向けの広告と非常に相性が良いのが特徴です。
深く考えさせるよりも印象に残す、YouTube広告の目的は理解より記憶であり、その意味で強い言葉を使った政党CMほど再生され話題になりやすくなります。
結果として、若者に刺さっているという評価が生まれますが、それは必ずしも支持の広がりを意味しているわけではありません。
一方で、同じ土俵に立ちながら再生数が伸びていない政党もあり、その代表例が中道改革連合です。
しかし、人気がないからではなく、そもそも再生数を取りに行く戦略を採っていない可能性が高いと考えられます。
広告投下量を抑え過激な言葉を使わず、説明重視のスタンスを取れば再生数が爆発しないのは当然です。
むしろ今バズっている政党CMは、支持が自然発生的に広がった結果というより、バズるように作られバズるように配信されているものです。
再生数の差は、政策の優劣ではなく、マーケティング戦略の違いを映しているにすぎません。
まとめ
今週末に衆議院選挙を控えた今だからこそ、数字の大きさに惑わされず、何を語っているのか、どんな社会を目指しているのかに目を向けることが重要です。
最終的に意思を示すのは、再生ボタンではなく投票用紙だということを、改めて意識したいところです。
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