「耐性菌」という言葉を聞いたことがありますか?
抗菌薬(抗生物質)に耐性ができ、本来であれば効果があるはずの薬が効かなくなる菌のことです。
今、耐性菌の出現が、世界的な問題になっています。
お子さんが風邪や中耳炎のときに、抗菌薬を飲ませるパパ・ママにぜひ知っていてほしいことを、この記事ではご紹介します。
耐性菌とは
お子さんやご自身が「抗菌薬」を処方されたことがあると思います。
抗菌薬は、病気を引き起こしている細菌を攻撃したり、細菌が増えるのを防ぐ薬で、「抗生物質」「抗生剤」と呼ばれることもあります。
これまでに様々な種類の抗菌薬が開発されていますが、抗菌薬への耐性ができ、効かない菌が現れています。
それが、「耐性菌」です。
現在、世界中で耐性菌が増えており、感染症の治療が難しくなるなどの問題が起こっています。
耐性菌が増えると、抗菌薬が効かなくなることから、これまでは、感染、発症しても適切に治療すれば軽症で回復できた感染症が、治療が難しくなって重症化しやすくなり、さらには死亡に至る可能性が高まります。
耐性菌ができるメカニズム
もともと細菌やウイルスは、生き残るために少しずつ変化する性質があります。
新型コロナウイルス感染症が、新しい変異株をうみ出しながら感染拡大しているのは、記憶に新しいでしょう。
細菌感染症に対して抗菌薬を投与すると、多くの菌はなくなりますが、一部の菌は抗菌薬から自分の身体を守るように変異します(耐性)。
このように「耐性」を獲得した菌が生き残り、人から人へうつっていくと、耐性菌が広まっていくのです。
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耐性菌をうまないために私たちができること
耐性菌をうまないためには、一人ひとりの心がけが大切です。
大切な心がけを2点あげますので、ぜひ覚えてください。
①抗菌薬は処方通り飲み切る
「1日3回 毎食後 5日分」など、お薬を渡される時に飲み方の説明をされます。
ところが、体調が回復すると、途中で抗菌薬を飲むのをやめてしまう人がいます。
これは絶対にNGです!
先に述べたように、抗菌薬を飲むと多くの菌はなくなりますが、一部の菌は抗菌薬から自分の身体を守るように変異することがあります。
もしも中途半端に抗菌薬を飲むのをやめてしまうと、薬に抵抗できるように変異した菌が一気に増えてしまいます。
そのため、たとえ症状が改善しても、抗菌薬は処方された回数や量の通りに、処方された日数分を必ず飲み切るようにしましょう。
※服用後に下痢症状がひどい時や、発疹などのアレルギー症状が出ている時などは、無理して飲まずに医師や薬剤師に相談してください。
※手持ちの抗菌薬を自己判断で飲むのも絶対NGです。
②むやみに抗菌薬をお願いしない
風邪を引いた時、病院に行って「抗菌薬をください」とお願いしたことはないでしょうか。
しかし、風邪の多くはウイルスによって引き起こされるもので、細菌をやっつける抗菌薬はウイルスには効果がありません。
そのため、医師からは咳止めや熱さましだけで、抗菌薬が処方されないことがあります。
抗菌薬が処方されていない時は、むやみに抗菌薬をお願いせずに、自然治癒力によって風邪のウイルスがいなくなるよう養生しましょう。
なお、風邪の症状の程度や、二次感染の予防、細菌感染を起こしている場合など、医師が必要と判断して抗菌薬を処方されることもあるので、その場合は指示通りに服用しましょう。
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まとめ
耐性菌は、抵抗力の弱い子どもや妊婦、お年寄りなどが感染しやすく、一度かかると薬が効かず治療が難しくなることもあります。
つらい症状が良くなると薬を途中でやめたくなりますが、抗菌薬は「指示通りに・最後まで飲み切る」ことを守りましょう。
一人ひとりの小さな心がけが、たくさんの人を耐性菌から救うために、とても大切なのです。
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