最近、キャベツの高騰が家計を直撃していますが、一方でカットキャベツの価格は据え置きのまま。
なぜ同じキャベツなのに、値上げされないのでしょうか?
今回は、値上げしないカットキャベツの理由を紹介します。
キャベツの高騰、その理由とは?
2024年末、キャベツの価格は全国平均で377円と、1年前の倍以上の価格にまで高騰しています。
その主な原因は異常気象です。
昨年夏の猛暑や秋の大雨、冬の寒波といった天候不順により、主要産地である愛知、静岡、九州などでキャベツの生育が遅れ、生産量が大幅に減少してしまいました。
また、農家は収穫のタイミングを早める「早取り」を余儀なくされ、生育が不十分なキャベツが市場に出回る状況が続いているのです。
さらに、外食産業やメーカーとの競争が激化し、価格の高騰を招いています。
消費者の需要が高い中での供給不足は、価格が上昇する典型的なパターンですね。
カットキャベツはなぜ価格据え置き?
それでは、なぜ同じキャベツを原材料とするカットキャベツの価格は上がらないのでしょうか?
カットキャベツは「手軽さと価格の安定性」が売りの商品のため、業界全体で「長年固定価格」を維持してきました。
特にコンビニやスーパーで販売される商品は、消費者が購入しやすい価格帯(例:100〜200円)に設定されており、この価格を急に上げると消費者が離れるリスクが高いのです。
カット野菜メーカーは、主要産地の農家と長期契約を結び、通常よりも安定した価格でキャベツを仕入れる体制を整えています。
これにより、短期的な市場価格の変動による影響を抑えています。
また、現在の高騰時には、メーカーは利益を削ることで価格を維持しています。
特に需要が高まると契約以上のキャベツを市場価格で買い付けざるを得ない場合もあり、「売れれば売れるほど赤字」というジレンマに直面しているのが現状です。
価格を据え置く代わりに、パッケージの内容量を減らす(ステルス値上げ)対応を取るメーカーもあります。
例えば、130グラムだったカットキャベツが120グラムに減るといった形で、消費者に見えにくい形でコストを吸収している例も存在しています。
農家とメーカーの本音
キャベツ農家や加工業者にとっても、この状況は非常に厳しいものです。
農家は早取りや収穫遅れで品質や収益の面で苦労しており、さらに燃料費や資材費の高騰も重なり、利益が圧迫される状況が続いています。
メーカー側では、消費者が価格の変化に敏感なため、販売価格を上げられないプレッシャーを抱えています。
本音としては、「ダイナミックプライシング」の導入(市場価格に応じた価格設定)が理想ですが、業界全体での合意が必要なため実現が難しいといいます。
消費者にできること
キャベツの高騰時には、代替野菜を積極的に利用するのがおすすめです。
例えば、もやしや豆苗、きのこ類などの比較的価格が安定している野菜を活用することで、食卓を彩りながらコストを抑えることができます。
また、地元直売所を活用して農家から直接購入することで、新鮮な野菜をお得な価格で手に入れる方法もあります。
さらに、スーパーの特売日や時間帯を狙って買い物をすることで、キャベツなどの高価な野菜を少しでも安く購入することも可能です。
これらの工夫を取り入れることで、家計への負担を軽減しながら、栄養バランスの良い食生活を維持することを心がけましょう。
まとめ
キャベツの価格高騰は、異常気象や需要と供給のバランスが大きく影響しています。
一方、カットキャベツの価格が据え置かれている背景には、長期契約やメーカー努力、そして業界全体の固定価格文化があることが分かりました。
消費者同様、農家やメーカーは非常に厳しい状況に置かれており、このままの状態が続けば業界全体の持続可能性が問われることになります。
メーカーや農家の努力を知ることで、キャベツ一つ一つに感謝の気持ちを持つことも大切ですね。
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