地上からは見えない巨大な絵を古代の人々は、なぜ描いたのでしょう?
ペルーのナスカ砂漠に存在する謎の巨大な地上絵。
その広大な土地に残された数百もの絵は、一体何のために、どのように作られたのか、今でも詳しい詳細は解明されていません。
今回は、その魅力と今も続く謎を紹介します。
ナスカの地上絵とは?
ペルー南部のナスカ砂漠に広がる「ナスカの地上絵」は、紀元前200年から紀元後600年頃にナスカ文化の人々によって描かれたとされる巨大なジオグリフです。
動物や植物、幾何学模様など、地上では確認しづらいにもかかわらず、空から見るとその形が一目瞭然であることが、この地上絵の最大の特徴です。
この地上絵が、なぜ描かれたのかについては長い間議論が続けられています。
宗教的な目的、天文学的なカレンダーとしての役割、水の神への祈りなど、様々な説が提唱されていますが、どれも決定的な証拠を持っていません。
特に、その大きさと精密さから、どのようにしてこれほど大規模な絵を描いたのかも謎に包まれています。
未だに解明されない理由
ナスカの地上絵が「謎」として語られる最大の理由は、製作技術や目的について未解明の部分が多いことです。
地上絵の多くは地面に足を運んだだけでは全体像を把握することができず、広大で平坦な砂漠に描かれているため、空からの視点でなければその形を確認できません。
古代の人々はどのようにして、この広大な絵の正確な形を把握していたのでしょうか。
現在では、高台や仮設の構造物を使って確認していたのではないかという説もありますが、明確な証拠は見つかっていません。
描かれた理由は何か?
動物や幾何学模様が描かれているものの、これらの絵の意味や目的についても謎が残っています。
■ 代表的な説
- 雨乞い説
- カレンダー説
- 宇宙人に向けたメッセージ説
- 天体観測説
ナスカ地方は非常に乾燥した土地であるため、水は貴重な資源でした。
そのため、これらの絵が水の神に対する祈りや祭祀に使われたという説があります。
また、天文学的な役割を果たしたという考えもあります。
特定の線が冬至や夏至の日に太陽と一致することが確認されており、農業のスケジュールを立てるために使用されていたのではないかとも言われています。
現代でも解明されていないこと
ナスカの地上絵については、いまだに多くの未解明な点が残されています。
- 製作方法|地上絵の正確さと規模の大きさは、当時の技術では説明がつかない点が多いです。ナスカの人々がどのような道具や技術を用いてこれほどの大作を描いたのかは不明です。
- 使用目的|天文学的なカレンダーや宗教儀式のために使用されたという説が有力視されていますが、決定的な証拠がないため、真相はわかっていません。多くの絵がどのような意味を持っていたのかは、依然として謎のままです。
ナスカの地上絵の現在の姿
ナスカの地上絵は、ペルーの乾燥した砂漠気候のおかげで非常に良好な状態で保存されています。
砂漠地帯のため、風や雨の影響をほとんど受けず、数千年にわたって描かれた当時の姿を保っているのです。
しかし、観光や人間の活動、気候変動によって一部の地上絵が損傷を受ける可能性もあり、現在はペルー政府と国際的な保護団体が協力してその保存に努めています。
また、最近の技術を用いた調査では、ドローンや衛星画像によって新しい地上絵が次々と発見されています。
2020年には、以前知られていなかった新たな地上絵が発見され、今後もさらに多くの地上絵が見つかると期待されています。
ナスカの地上絵を訪れる際の注意
ナスカの地上絵は、観光地としても人気があり、ペルーに訪れる観光客にとっては必見の場所となっています。
地上絵を見るためには、小型飛行機に乗って上空から観覧する方法が一般的です。
しかし、観光客が増加することで地上絵が損傷するリスクもあるため、保存状態を保つための配慮が必要ですね。
まとめ
ナスカの地上絵は、古代文明の技術や信仰が未だに解明されていない、ミステリアスな遺産。
その大きさや描かれた理由、さらにはその保存状態が驚異的である点から、世界中の考古学者や観光客にとって魅力的なテーマとなっています。
これからもナスカの地上絵は、私たちに未知の知識や洞察を与えてくれるでしょう。
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