子どもの頭の良さは遺伝で決まると思っていませんか?
実は、最新の発達心理学では父親の関わり方こそが子どもの知能や思考力を左右する要因だと分かっています。
そこで今回は、子どもの脳の成長を阻害する父親のNG習慣の中から、特に影響が大きい3つを紹介します。
過干渉が子どもの考える力を奪う
子どもが何かを始めようとしたとき、「危ないからやめなさい」「こうすれば早い」とつい口を出していませんか?
ハーバード大学の研究によると、親が細かく指示を出す家庭ほど、子どもの問題解決力や創造性が低下する傾向があるといいます。
理由は、脳の中でも「考える」「判断する」などを司る前頭前野の働きが使われなくなるからです。
子どもは、失敗から学び再び挑戦することで、自分で考える脳を育てます。
しかし、常に父親が正解を与えてしまうと、その思考のサイクルが止まり、指示がなければ動けない子どもになってしまうのです。
もちろん、危険なことを防ぐのは大切ですが、手を出さず見守る勇気も同じくらい重要で、転んでも立ち上がるその経験こそが知能を育てる最高の学びなのです。
スキンシップ不足は脳の成長を止める
仕事で疲れているから、今は忙しいからと、子どもとの触れ合いを後回しにしていませんか?
東京大学の研究では、父親のスキンシップが多い子どもほど、脳の前頭葉の活動が活発になると報告されています。
抱っこやハグなどの触れ合いで分泌されるホルモン「オキシトシン」は、安心感を与えるだけでなく、集中力・学習意欲を高める作用を持っています。
一方で、スキンシップが少ないと、子どもは無意識のうちに警戒モードで過ごすようになり、ストレスホルモン「コルチゾール」を過剰に分泌します。
これが長く続くと、記憶や判断を司る海馬の発達を妨げる可能性もあるのです。
大切なのは時間の長さより心の向き、短い時間でも子どもの目を見て笑い、ぎゅっと抱きしめるだけで脳は安心モードに切り替わります。
その安心感が、子どもの知能発達の土台をつくるのです。
家事・育児を母親任せにすると知能格差が生まれる
育児はママの方が得意、俺は仕事があるからと、無意識のうちに家事や育児を任せきりにしていませんか?
この昭和型の父親像が、実は子どもの知能格差を広げる原因になっているといわれています。
オックスフォード大学の調査では、父親が家事・育児に積極的に参加する家庭の子どもは、語彙力・記憶力・社会的スキルが平均より高い傾向が見られました。
理由は、父親と母親が使う言葉や価値観が異なるため、子どもが多様な視点を吸収できるからです。
さらに、父親が掃除や料理をする姿を見せることで、男女の役割は固定的ではないという価値観を自然に学びます。
これは、子どもの将来の自己肯定感や自立心を育てるうえで非常に大切です。
父親が、手伝うではなく一緒にやるという姿勢を見せるだけで、家庭の空気は変わります。
チームとして子育てに関わることが、子どもの脳を最も健やかに育てる方法なのです。
まとめ
子どもの知能を育てるのは、塾でも教材でもなく日常の父親の関わり方で、それらの積み重ねが、子どもの脳に心して挑戦できる環境を与えます。
たとえ短い時間でも、今日ほんの数分、子どもの目を見て話しかけてください。
その一言が、10年後の知能と心を育てる最高の教育になるのです。
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