ネット通販が最安値を更新し、大型量販店には豊富な商品と人が集まります。
そんな時代に、商店街の一角にひっそりと佇む「街の電器屋さん」は、なぜ今も生き残っているのでしょうか。
お客さんが入っている姿をほとんど見かけず、そもそも自分自身が利用したことがないという人も多いはずです。
今回は、なぜ潰れないの」と街の電器屋が地域にもたらす幸福について紹介していきます。
街の電器屋さんはなぜ潰れないのか?
一般的な感覚で街の電器屋さんは、どう考えても儲かっていなそうに見えるかもしれません。
しかし、実際には潰れにくい仕組みがしっかりと存在しています。
まず大きな理由が固定費の低さで、多くの店舗は商店街の一角にある自宅兼店舗で営業しており家賃がほぼかかりません。
また家族経営が中心のため、人件費も最小限です。
さらに、街の電器屋さんは在庫リスクを持たない受注発注方式を採用している所がほとんどです。
お客さんからの注文を受けてからメーカーに取り寄せるため、大量の在庫を抱える必要がなく売れ残りのリスクもありません。
そして最も誤解されやすいですが、街の電器屋さんの主な収益源は家電販売ではなく、エアコンの取付工事、アンテナ設置、給湯器交換、ブレーカーの点検など、工事や技術料によって安定した利益が生まれます。
つまり街の電器屋さんは、ネット通販と同じ土俵で戦っているように見えて、実は最初から別ステージで勝負しているのです。
圧倒的な信頼関係
街の電器屋さんが支持され続ける最大の理由は、お客さんとの圧倒的な信頼関係です。
街の電器屋さんでは、店主とお客さんがまるで家族や友人のように笑顔で会話をしている姿が見られます。
高齢者にとっては、ネットの最安値よりも「自分のことを理解してくれる人」が何より価値ある存在なのです。
さらに街の電器屋さんは、家電以外の相談にも応じます。
水道トラブル、障子やふすまの張り替え、トイレの不具合、外壁塗装、さらには新築住宅の相談まで生活に関わるあらゆる悩みに対応します。
工務店や職人と連携することも多いですが、元請けが電器屋さんになるケースも珍しくありません。
ネット通販では絶対に再現できないこの人間関係こそが、街の電器屋さんの最大の強みです。
現代では、どこで買っても品質は同じ、便利・安い・早いは当たり前、だからこそモノそのものではなく、誰から買うかが価値を生む時代になっています。
AIがどれだけ進化しても、この人間的な温かさに割って入ることはできません。
街の電器屋さんが令和の社会で必要とされる理由は、まさにここにあります。
まとめ
街の電器屋さんが潰れないのは、家賃や在庫リスクが小さく、工事・修理といった高利益の仕事を軸にしているためです。
さらに、地域に密着してお客さんの生活を深く理解し、家電だけでなく生活全般の困りごとを解決する暮らしのパートナーとしても支持されています。
こうした店がある地域は豊かであり、街の電器屋さんは令和の時代にこそ必要な存在だといえるでしょう。
街の電器屋さんは決してオワコンではなく、むしろ未来の希望なのです。
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