急成長した格安うなぎチェーン「鰻の成瀬」、創業からわずか3年で全国に400店舗近くまで広がり、外食業界の新勢力として注目されてきました。
しかし、この勢いの裏で閉店ラッシュが始まっているという噂がネット上で広がり、不安を抱く利用者も少なくありません。
本当に大量閉店が起きているのか?それとも誤解なのでしょうか…?
職人不要のうなぎ革命
鰻の成瀬が急激に店舗を増やせた理由は、その革新的なオペレーションにあります。
うなぎ本来の調理は熟練の技を必要とし、「串打ち三年、裂き八年、焼き一生」と言われるほどの世界ですが、成瀬はこの常識を完全にひっくり返しました。
海外工場で下処理と蒲焼き加工を済ませ、各店舗では専用機器で蒸しと焼きを行うだけの工程に統一したことで、職人を置かずとも店を運営できる仕組みを確立したのです。
この効率化によって人件費を抑えるだけでなく、提供スピードも大幅に向上、昼休憩の短い会社員でも10分ほどで食事を済ませられるほどの回転率は、現代のニーズにマッチし瞬く間に人気を集めました。
さらに、フランチャイズ展開に特化した運営会社が加盟店舗を次々と増やしたことで、全国的なチェーンへと一気に成長していきました。
噂された閉店ラッシュは本当?
ネット上では「鰻の成瀬が一気に閉店している」という話が拡散されました。
実際、2024年後半から2025年にかけて、府中店や小牧店、旭川店、三ツ境店など複数店舗が一気に閉店したことは事実です。
しかし、この動きを全国的な閉店ラッシュと断言するのは正確ではありません。
同時期に新規オープンも続いており、全体の店舗数はむしろ増加傾向にあり、さらに競合の増加という問題も無視できません。
成瀬の成功をきっかけに、安価なうなぎ業態を模した店舗や既存チェーン店の強化が進み、特に似たようなエリアに複数店が出店すると客層が分散、売上が伸び悩む店舗も出てきます。
こうした個別事例が積み重なり、「閉店ラッシュ」というイメージが強くなったと考えられます。
それでも成瀬が支持される理由
閉店情報が話題となる一方で、鰻の成瀬は利用者からの支持を確実に得ています。
背景にあるのは、成瀬がうなぎを特別な料理から日常食へと変えた点にあります。
1600円程度でふっくらした半身のうな重が食べられ、一尾使ったメニューでも2500円前後という価格は、これまでのうなぎの常識を大きく覆しました。
さらに、忙しい現代人にとって「早い・安い・そこそこ美味しい」というバランスは非常に魅力的です。
口コミを見ると「専門店と比べれば違うが、この値段なら満足」といった声が多く、特に価格と提供スピードの評価は高い傾向があります。
テイクアウトにも強いため、会議弁当や家庭の夕食として利用する人も増えています。
こうした利用者の現実的な満足度が、閉店の噂とは裏腹に成瀬の人気を支え続けているのです。
急拡大で多少の揺らぎが生じたとしても、この新しい価値観は簡単には失われないでしょう。
まとめ
鰻の成瀬をめぐる閉店ラッシュの噂は、一部店舗の撤退が続いたことで誤解を招いたものの、全国規模で大量閉店が進んでいるわけではありません。
ただ、原価高騰や競合増加といった課題があるのは事実ですが、成瀬が作り出した日常的に食べられるうなぎという新しい価値は利用者に強く受け入れられています。
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