ガリガリ君といえば、子どもから大人まで幅広い世代に愛されるアイスクリームです。
実はガリガリ君、時代の流れとともに値上げされているのですが、そのたびに謝罪広告を出してSNSでバズるほど話題になっています。
しかも、ただのウケ狙いではなく、その姿勢には驚くほどの誠意が込められているとか…。
今回は、そんなガリガリ君の価格変遷と、それを生み出した赤城乳業の信頼される企業姿勢について紹介します。
庶民派アイス「ガリガリ君」の値段の歴史

ガリガリ君が誕生したのは1981年、当時の価格は50円と、子どものお小遣いでも買える「駄菓子アイス」として瞬く間に全国に広まりました。
1991年には60円へと値上げされましたが、その後はなんと約25年間も据え置き価格を継続、2000年代、2010年代に次々と商品が値上がりしていく中でも、ガリガリ君だけは「60円」という価格を守り続けていました。
しかし、2016年、ついに値上げが避けられなくなり、60円から70円に値上げされることになります。
この10円の値上げを、ただの事務的な告知で終わらせなかったのが赤城乳業の凄さです。
広告では、社長と社員およそ100人が全員で深く頭を下げている写真を使用し、「25年間、がんばりましたが…」というメッセージとともに値上げを告知、この広告はSNSやニュースで大反響を呼び、「逆に好感度が上がった企業」「これなら値上げしても許せる」と絶賛されることになります。
そして2022年には70円から80円に、2023年には80円から税抜き80円(税込86円)へと段階的に値上げされましたが、そのたびに謝罪ポーズは深くなり、公式SNSでは比較画像で、お辞儀の角度を可視化する演出まで…これがまたバズりを呼び、「企業の鏡」と言われるようになったのです。
赤城乳業のステルス値上げ拒否宣言
近年、食品や日用品の値上げラッシュが続いています。
消費者が気づきにくいようにと、中身の量を少しずつ減らして実質的な値上げをするステルス値上げはよくある手法です。
しかし赤城乳業は、内容量は減らさない、堂々と値上げし正直に説明するという方針を貫いてきました。
実際、ガリガリ君は値上げされても内容量(110ml)は変えていません。
この誠実な企業姿勢は、消費者から、信頼できる会社、良心的すぎると賞賛され、ファンが離れない理由にもなっています。
さらに過去には、ナポリタン味やコーンポタージュ味などの変わり種フレーバーも投入し、話題づくりも怠りません。
ただふざけているだけではなく、「どんな味でも全力で作る」という職人魂も伝わってきます。
こうした真面目さとユーモアのバランス感覚が、企業としての魅力を倍増させています。
赤城乳業の謝罪芸に込められた本気

2023年の値上げ時、赤城乳業は再び頭を下げる謝罪画像を発表、なんと2016年の広告よりさらに深い角度でお辞儀をしていたのです。
しかも驚くべきことに、赤城乳業は「将来の値上げに備えた謝罪パターン」をすでに撮影済みだと明かしました。
- 税抜き90円:正座
- 税抜き100円:正座+お辞儀
- 税抜き110円:正座+深々とお辞儀
- 税抜き130円(未実施):顔が地面に埋まる勢い!?(※比喩)
これらの演出は、ただのネタではありません。
値上げ=悪というイメージがある中で、赤城乳業は誠実に正面から消費者に向き合い、ユーモアを交えながら真剣に伝えるという姿勢を徹底しています。
このような企業姿勢は珍しく、価格が上がっても「応援したい」「買い続けたい」と思わせるファンづくりに成功している好例といえるでしょう。
まとめ
ガリガリ君は、誠実さ・正直さ・遊び心・伝える力を兼ね備えた企業・赤城乳業が生んだ、日本が誇る国民的アイスです。
価格が上がっても内容量はそのまま、値上げのたびに深く謝罪し、しかも笑いを交えて伝えるその姿勢に、私たちは信頼と愛着を感じるのです。
変わりゆく時代の中で、これほどまでに企業と消費者の信頼関係を築けるブランドはそう多くありません。
ガリガリ君は、これからもきっと国民的アイスであり続けるでしょう。
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