アニメの歴史には、様々な事情からお蔵入りとなり、二度と見られなくなってしまった作品が存在します。
今回はそんな闇深い理由で封印された3つのアニメについて紹介します。
二度と見られない?お蔵入りアニメ3選
キャンディ♡キャンディ
昭和の大人気少女漫画アニメ「キャンディ♡キャンディ」。
1976年から79年まで放送され「そばかすなんて気にしないわ〜♪」という主題歌で有名な作品です。
今の若い世代の方でも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
物語は20世紀初頭のアメリカやイギリスを舞台に、孤児キャンディが周囲からの偏見にも負けずに成長していくストーリー。
しかし、この作品が再放送や配信されることはありません。
その理由は、著作権を巡る複雑な争いです。
原作者の水木杏子先生と作画担当のいがらしゆみこ先生の間で、長年にわたる著作権争いが続きました。
いがらし先生が本作の権利を私物化しようとし、印税やグッズ関連の権利を独占しようとしたことから、両者の契約が解除される事態に発展。
さらに、水木先生のイラスト集を無断で販売するなど、不正な行為が明るみに出ました。
最終的に水木先生が権利を勝ち取りましたが、この争いの影響で本作は再放送や配信、映像ソフトの販売が不可能となり、現在は主題歌だけが一人歩きしている状態です。
ジョジョの奇妙な冒険
荒木飛呂彦先生の名作漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のOVA作品。
1993年から発売されている、ジョジョシリーズは、現在は9部の「The JOJOLands」が連載されていて、OVA化されたのは、第3部である「スターダストクルセイダース」からです。
復活した吸血鬼DIOを倒すために、エジプトに旅立つ承太郎たちの物語ですが、このOVAも封印作品となってしまいました。
その理由は宗教的な問題です。
作中で悪役のDIOがイスラム教の聖典「コーラン」を読むシーンがあり、これがイスラム関係者からの強い抗議を受けました。
原作にはそのような描写はなく、アニメスタッフが適当に選んだアラビア文字が「コーラン」の一節だったことが原因。
2007年に発売された全話収録のDVDボックスも出荷停止となり、現在では配信もされていません。
超時空騎団サザンクロス
「マクロス」と「オーガス」に続く「超時空シリーズ」の第3弾として1984年に放送された「超時空騎団サザンクロス」。
22世紀の未来を舞台に、植民地惑星グロリエで異星人ゾル人とサザンクロス軍が戦うストーリーです。
しかし、本作も放送途中で打ち切りとなり、現在では再放送も配信もされていません。
その理由は、制作会社の変更とシリーズの低迷、そして権利関係の複雑化にあります。
前作「超時空世紀オーガス」の不振を受け、制作協力だったタツノコプロが実際の制作を担当しましたが、人気は低迷し、全39話の予定が23話で打ち切りに。
さらに、ビッグウエストとタツノコプロの間で訴訟が発生し、本作の権利関係が複雑化。
結果的に再放送や商業誌での扱いが難しくなり、コアなファン以外にはほとんど知られない作品となってしまいました。
まとめ
今回紹介した3つのアニメは、それぞれ異なる理由で封印されてしまいました。
著作権争いや制作会社の変更、宗教的問題など、アニメの背後には複雑な事情が絡んでいることがわかります。
これらを通じて、アニメ業界の裏側にあるドラマを感じていただけたのではないでしょうか…。
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