世界には、誰も足を踏み入れられない「禁足地」が存在します。
そこは、悪魔の住処なのか、それとも命の危険を感じるほどの危険な場所なのか。
悲惨な歴史や秘められた伝説が人々を引き寄せ、ホラー好きや冒険家を惹きつけます。
今回は足を踏み入れてはならない「禁足地」を2つ紹介します。
「人形島」ソチミルコ
メキシコシティの南、ソチミルコ運河にひっそりと佇む「人形島」は、訪れる者に強烈な印象を残す不気味なスポットです。
無数の人形が吊るされ、まるで島全体が人形に支配されているかのような異様な光景が広がります。
この島の物語は、1950年代にこの地に移り住んだ男性、フリアン・サンタナから始まります。
ある日、彼は運河で溺れた少女の亡骸を見つけました。
その直後、少女の霊が彼の周りをさまようようになり、不気味な囁き声や幻影に悩まされるようになったと言われています。
フリアンは少女の魂を鎮めるため、道端で拾った人形や壊れた人形を島中に吊るし始めました。
しかし、その行為は終わることなく続き、島全体が人形で覆い尽くされたのです。
さらに奇妙なのは、フリアン自身も後に、少女が溺れた場所と同じ運河で遺体となって発見されたことです。
地元の人々は「彼もまた少女の霊に呼ばれたのだ」と噂し、その後も島には人形が増え続けていると言われています。
現在、人形島は観光名所となっており、ソチミルコのトラヒネラ(カラフルなボート)に乗ってツアーで訪れることができます。
しかし、その地に足を踏み入れると、「見えない少女の霊が囁く声が聞こえる」「人形が動いた」「夜になると目が光る」といった超常現象が報告されています。
実際に訪れた人々は、
- 「人形がこちらをじっと見つめている気がした」
- 「写真に写ってはいけないものが映り込んだ」
- 「重苦しい気配を感じた」
など、恐怖体験を語っています。
昼間でも不気味さは消えず、特に夜の人形島は、まるで霊たちが解き放たれたかのように恐ろしい雰囲気に包まれると言われています。
ホラー好きには魅力的かもしれませんが、強い勇気が必要な場所です。
「ポヴェーリア島」ペスト隔離の地
美しいヴェネツィアのラグーン内に存在する「ポヴェーリア島」。
その美しい外観とは裏腹に、ヨーロッパでも最も恐ろしい呪われた島として名高い場所です。
中世ヨーロッパを襲った「ペスト(黒死病)」の大流行期、ポヴェーリア島は感染者を隔離するための地として使われました。
当時、ペストに感染した者は生きたままこの島へ送り込まれ、治療の手段も与えられず、絶望の中で命を落としました。
特に17世紀から18世紀にかけて、ポヴェーリア島には感染者が次々と集められ、死体は大量に焼却、その数は16万人とも言われ、島の土壌には今でも焼けた骨や灰が混じっていると言われます。
感染者たちの苦しみや怨念が島に染みつき、夜になると「亡者たちの叫び声が聞こえる」と噂されます。
隔離施設が閉鎖された後、ポヴェーリア島は一時的に無人となりましたが、1922年この島に精神病院として再利用されました。
しかし、この病院は正当な医療施設ではなく、患者に対する非人道的な扱いや残酷な実験が日常的に行われていたとされています。
特に悪名高いのが、島の医師による人体実験です。
この医師は「亡霊に取り憑かれた」と叫び、最終的には病院の塔から飛び降りて自殺。
その後も医師や患者の霊が彷徨い続け、島を訪れる者に恐怖を与え続けています。
アメリカのテレビ局のスタッフが取材に訪れた際、見えない何かに引っかかれたり、押されたり、廊下を追いかけられたりしたという報告もあります。
さらに、「直ちに帰れ、二度と戻ってくるな」という声を聞いたという証言も…。
現在、ポヴェーリア島はイタリア政府によって立ち入りが禁止されており、公式には訪れることができません。
しかし、島に近づくだけでも重苦しい空気や不気味な気配を感じると言われています。
一部の冒険者やホラー好きが無断で島に上陸しようと試みますが、多くが不気味な現象に、足早に立ち去ることになるのです。
まとめ
世界には、外部の人間には理解し難い、呪われた歴史や恐ろしい伝説に彩られた場所が存在します。
メキシコの「人形島」とイタリアの「ポヴェーリア島」は、その最たる例です。
これらの禁足地はホラー好きや都市伝説ファンにとっては魅力的な場所かもしれませんが、そこには決して軽い気持ちで足を踏み入れてはいけない「何か」が潜んでいます。
禁足地には恐怖だけでなく、歴史への畏敬の念を忘れずに。
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