少子化が進むなか、なぜ西松屋は30年連続で売上を伸ばし続けているのでしょうか?
その秘密は、実はガラガラに見えることにあったのです。
今回は、西松屋が実施している「お客のストレスを減らす」ための独自の経営戦略を紹介します。
西松屋が30年連続増収を実現した秘密とは
少子化が進む現代において、多くの子ども用品店が苦境に立たされています。
しかし、西松屋だけは例外なんです。
なぜなら、西松屋は他の小売業とは異なる独自の経営戦略を実施しているからです。
その根幹にあるのが、「お客のストレスを減らす」という方針、このシンプルながら強力な戦略が西松屋の成功を支えています。
「ガラガラ」は意図的な戦略だった
普通の店舗なら「行列ができる=成功」と考えがちですが、西松屋は真逆の発想です。
「人気店ができたら、近くにもう1店舗を作る」
これにより、混雑を分散し、快適な買い物環境を維持する ことができます。
親子連れの客にとって、混雑した店舗はストレスの元なります。
ベビーカーや子どもを連れての買い物は、狭い通路では動きづらくなるため、西松屋はストレスを解消するために、「適度に空いている」環境を保つ店舗戦略をとっています。
つまり、店内がガラガラなのは成功の証なのです。
さらに、西松屋では一般的な小売店のようなBGMを流していません。
その理由は、「子どもの声や足音が聞こえやすくするため」です。
例えば、親が商品を見ている間に、子どもが少し離れてしまったとしても、BGMがなければ声がすぐに聞こえ、どこにいるかが分かりやすくなります。
親が安心して買い物できる環境を作ることで、リピーターを増やしているのです。
店内の通路はカート3台分の広さ
西松屋の通路は、一般的なスーパーやアパレル店よりも広めに設計されています。
その理由は、家族連れが快適に買い物できるようにするためです。
ベビーカーやカートが3台並んでも通れるほどの広さを確保することで、買い物中に他の客とぶつかるストレスを軽減、また、子どもが急に走っても安全な距離が取れるようになっています。
「店内が広くて歩きやすいから、つい行ってしまう」という声が多いのも納得です。
「いらっしゃいませ」の声掛けをやめた
一般の小売店では、接客の基本として「いらっしゃいませ」と声をかけます。
しかし、西松屋ではあえて店員の声掛けをなくしました。
その理由は、お客が自由に買い物できる環境を作るため店員の負担を減らし、業務を効率化するためです。
その結果、スタッフの数を2~3名の最小限にしながらも、お客にとって快適な買い物環境を提供できています。
さらに、西松屋はセルフレジを導入することで、レジ待ちのストレスをなくす ことにも成功しています。
従業員の業務負担を削減お客がスムーズに会計できる レジ待ち時間のストレスが減ります。
これにより、スタッフの数を抑えつつ、快適な買い物環境を実現しています。
プライベートブランド(PB)で低価格&高品質を実現
西松屋の衣料品の約9割はプライベートブランド(PB) です。
PBのメリットは、
- 中間マージンをカットし、低価格を実現
- 自社で設計・生産することで、品質管理がしやすい
- 大量生産により1着あたりのコストを抑えられる
特に、デザインの頻繁な変更を避けることで、在庫リスクを低減し、安定した利益を確保しています。
まとめ
西松屋が30年連続増収を実現した理由は、 意図的に「ガラガラ」にする店舗戦略のおかげです。
これらの施策が、お客にとって「また行きたくなる」環境を作り出しているのです。
ガラガラに見えても、売上は右肩上がり、この「ストレスフリー経営」こそが、西松屋の成功の秘訣なのです!
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