昭和の時代、子どもも大人もワクワクするような「夢のアイテム」が次々と登場しました。
その多くはドラえもんの秘密道具のような魅力的な商品でしたが、実際には「え、これ本当?」と疑わしくなるものも…。
とはいえ、ついつい買ってしまった人も多いはずでは…?
今回は、そんな 昭和に流行ったドラえもんの秘密道具のような詐欺商品?を紹介します。
透視メガネ
雑誌の裏表紙や通販カタログでよく見かけた「透視メガネ」、このメガネをかければ服の下が透けて見えるという触れ込みで、多くの少年たちの心を鷲掴みにしました。
値段は1,500円から3,000円ほどで、当時の子どもにとってはお年玉をはたくほどの高額商品でした。
しかし、届いた商品を開けてみると、ただの不思議なレンズが付いたメガネ。
実際にかけてみると、確かにぼんやりと何かが二重に見えるような錯覚が起こるものの、期待した「透視効果」はまったくありません…。
レンズの仕組みは単純で、特殊なプリズムによって物が二重に見えるようになっているだけです。
それでも、「もしかしたら」という一縷の望みにかけて、友達と試したり、色々な角度で覗き込んだりしていた人も多かったのではないでしょうか。
結局のところ、ただの「視覚トリックメガネ」だったわけですが、昭和の子どもたちにとっては「夢を買う商品」だったのかもしれませんね。
睡眠学習機
寝ているだけで天才になれる!?受験生の強い味方として登場したのが「睡眠学習機」。
寝ている間にヘッドホンをつけて英単語や数学の公式を聞くだけで、翌朝には知識が定着しているという夢のような装置でした。
価格は5,000円から10,000円ほどと高価でしたが、「寝るだけで成績アップ」というキャッチコピーに惹かれ、多くの親御さんが子どもに買い与えたのではないでしょうか。
実際の仕組みは単純で、カセットテープやレコードに録音された音声を流し続けるというだけのもの。
しかし、睡眠中に音を聞いても記憶にはほとんど定着しないことが科学的に証明されており、むしろ安眠を妨げるだけでした。
それでも「試しにやってみよう」と一晩中流してみたものの、翌朝になっても何も覚えておらず、結局は自力で勉強した方が効果的だという現実に気付く人が続出。
昭和の受験生にとっては、一夜漬けの救世主になるどころか、単なる「高級オーディオプレーヤー」として終わった商品でした。
ESPカード
超能力者への第一歩?昭和はオカルトブームの時代でもあり、「超能力」を鍛えるための道具として流行したのが「ESPカード」でした。
これは、星・波・円・十字といったシンプルな記号が描かれたカードを用い、相手が引いたカードの絵柄を透視することで、超能力の開花を目指すというもの。
値段は2,000円から5,000円程度で、当時としては決して安くはなかったものの、「自分にも超能力があるかもしれない」と期待を持つ子どもたちに人気となりました。
しかし、実際にはカードを当てる確率は統計的な偶然に過ぎず、科学的に超能力を証明するものではありませんでした。
それでも、何回か当たると「もしかして自分は特別な能力を持っているのでは?」と思い込み、繰り返し挑戦してしまう人も…。
結果的には、単なる「ちょっとした遊び道具」として扱われるようになりましたが、昭和の子どもたちにとってはワクワクできるアイテムの一つだったのです。
マイナスイオン発生装置
「マイナスイオンが空気を浄化し、リラックス効果を高める」という謳い文句で登場したのが「マイナスイオン発生装置」です。
家庭用電化製品として10,000円以上の価格で販売され、特に健康志向の高い家庭やオフィスに広まりました。
この装置は、空気中にマイナスイオンを放出することで、室内の空気を浄化し、リフレッシュ効果をもたらすとされていました。
しかし、科学的に見ると、一般的な家庭環境ではマイナスイオンの効果はほとんどなく、むしろ「なんとなく気分が良くなった気がする」というプラセボ効果の方が大きかったのが実情です。
結局のところ、科学的根拠が乏しいまま、時代とともに徐々に姿を消していきましたが、昭和の人々の「健康に良さそう」という感覚に訴えかけた商品だったことは間違いありません。
まとめ
当時の人々は「もしかしたら本当に効果があるかも?」という期待を胸に、こうした商品を試していたのです。
今の時代であれば、SNSやネットのレビューですぐに「効果なし」と拡散されるでしょう。
しかし、昭和の時代には、情報が限られていたからこそ、こうした「ちょっと怪しいけれど夢がある商品」が成立していたのです。
騙されたと分かっても、なぜか懐かしく思えてしまうのは、そんな時代の雰囲気があったからこそかもしれませんね。
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