最近、街で『ほっかほっか亭』を見かけなくなったな…と感じたことはありませんか?
一方で、『ほっともっと』の看板を目にする機会が増えたように思いませんか?
実は、この背後には企業間の複雑な対立と分裂が存在していたのです。
今回は、その知られざる歴史と背景を紹介します。
「ほっかほっか亭」と「ほっともっと」の泥沼の戦い

1976年、埼玉県で創業した持ち帰り弁当チェーン『ほっかほっか亭』は、全国展開を進め、一時は約3,500店舗を誇る巨大チェーンとなりました。
その成功の裏には、地域ごとにフランチャイズ展開を行う戦略があり、具体的には、九州・山口地区を担当する『プレナス』、関西地区を中心とした『ハークスレイ』、そして東日本地区を統括する『株式会社ほっかほっか亭』が存在していました。
しかし、1999年、ダイエーの経営危機に伴い、東日本地区を統括していた『株式会社ほっかほっか亭』の株式が売却され、『プレナス』がこれを取得。
これにより、『プレナス』は全国の『ほっかほっか亭』約3,500店舗のうち、約2,200店舗を運営する最大のフランチャイジーとなります。
この動きにより、『プレナス』と『ほっかほっか亭総本部』との間で商標権や運営方針を巡る対立が表面化しました。
『プレナス』が『ほっかほっか亭』の商標権を取得したと主張し、総本部に対して商標使用料を請求したことが大きな争点となります。
一方、総本部は独占的使用権を主張し、支払いを拒否、この対立は法廷闘争にまで発展しました。
さらに、2006年には創業者である田渕氏が総本部の持株を『ハークスレイ』に譲渡。
これにより、『ハークスレイ』が総本部の親会社となり、フランチャイジーであった『ハークスレイ』がフランチャイザーである総本部を支配するという「ねじれ現象」が生じます。
このような複雑な権利関係と対立の中、2008年、『プレナス』は『ほっかほっか亭』から離脱し、新ブランド『ほっともっと』を立ち上げました。
これにより、『プレナス』が運営していた約2,200店舗の大半が『ほっともっと』へと移行。
一方、総本部側に残ったのは約266店舗とされています。
この分裂により、『ほっかほっか亭』の店舗数は大幅に減少する一方で、『ほっともっと』は新たなブランドとして急速に全国展開を進め、現在では約2,300店舗を展開するまでに成長したのです。
まとめ
『ほっかほっか亭』から『ほっともっと』への転換は、企業間の複雑な対立と分裂が背景にあり、商標権やフランチャイズ契約を巡る争いが、ブランドの分裂と新たな展開を生む結果となりました。
現在、『ほっともっと』は全国的な知名度と店舗数を誇り、一方の『ほっかほっか亭』は地域限定の展開となっています。
この事例は、企業間の関係性や契約の重要性を改めて考えさせられるものと言えるでしょう!
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