渋谷駅から徒歩5分、再開発で誕生した新スポットなのに、行ってみたら空き店舗だらけ…これって大丈夫?
いま、渋谷のど真ん中にある大型複合施設「渋谷サクラステージ」が、人が来ない商業施設として密かに注目を集めています。
新しくてピカピカなのに、なぜここまでガラガラなのか?このまま続けばどうなってしまうのか?
現地を訪れた感想と共に、他のエリアの稼働状況も交えながら紹介します。
渋谷サクラステージ開業半年で既にガラガラの異変
渋谷サクラステージは、2023年11月に一部開業し、2024年7月に全面開業したの大型再開発施設です。
開発を主導したのは東急不動産で、総面積約2.6haにおよぶ渋谷桜丘町の再整備計画の一環として誕生しました。
しかしその華々しいスタートとは裏腹に、現在の様子は「まるで廃墟のよう」とSNSでも囁かれるほど閑散としています。
実際に現地を訪れた人からは、「関係者以外立入禁止」「テナント募集の張り紙だらけ」といったリアルな報告も多く見られています。
なぜここまでガラガラに?その理由とは
① テナント賃料が高すぎる
サクラステージの商業区画は、1坪あたり4万円台からという高額な賃料設定となっています。
小さな店舗でも月40万円以上、大きな区画では100万円を超えることもザラです。
立地の良さに見合う賃料ではあるものの、固定客がつくにはまだ時間がかかる場所でこの金額は出店側にとっては大きなリスクとなっています。
② 渋谷駅からの導線が分かりにくい
確かに渋谷駅から徒歩5分圏内ではありますが、スクランブル交差点やハチ公口と反対側の「南西エリア」に位置しているため、人の流れが自然と向かいにくいのです。
しかも、土地の高低差の影響で施設内の階層が複雑になっており、今どこにいるのか分かりにくいという構造的な問題も指摘されています。
③ ターゲットが定まっていない
施設内には、松屋やマクドナルド、エクセルシオールカフェといった庶民派の飲食店がある一方で、TSUTAYA BOOKSのラウンジや高級ケーキ店ハーブスなど意識高めな店舗も存在します。
結果として「誰を狙っているのか分からない施設」になってしまっており、集客の軸がブレているとの指摘の声が多く聞かれます。
実は埋まってる?他のエリアはどうなっているのか
ガラガラなのは商業エリアだけ?と思った方も多いはず…。
実は、サクラステージ全体で見ると、オフィスと住宅エリアはかなり稼働しています。
■ オフィスフロア(上層階)
・一部企業がすでに入居し、4月にはハーバード大学関連のイノベーション拠点「TECH-Tokyo」も誕生。
・平日昼間はスーツ姿のビジネスパーソンである程度にぎわいあり。
■ 住宅エリア(高級賃貸)
・1LDK・40㎡で家賃30万円超という高価格帯ながら、一部入居が確認されています。
・東急ストアやカルディといった生活インフラが整っており、住環境としては申し分なし。
つまり、「住む・働く」は成立しているが、「遊ぶ・買う」が死んでいるのが現状なのです。
このままではどうなる?
現在の渋谷サクラステージでは、商業施設エリアの空きテナントが目立ち、この状況が長引けば施設全体の収益悪化が避けられない状態にあります。
家賃収入が確保できない一方で、空調・清掃・警備などの維持費はかかり続けるため、商業ゾーン単体ではすでに赤字に陥っている可能性もあるでしょう。
さらに、人の流れが形成されていないことで既存テナントの売上も伸び悩み、今後は撤退が相次ぐ可能性もあります。
そうなれば、空き区画はさらに増え、「行っても寂しい施設」という印象が定着してしまいかねません。
また、周囲の開発が順調に進むなかで、サクラステージだけがガラガラの状態が続けば、「失敗再開発」というレッテルを貼られるリスクもあります。
商業施設としての魅力を失えば、オフィスや住宅エリアのブランドイメージにも悪影響が及ぶ可能性があるのです。
現状を打開するためには、アクセス導線の改善やテナント構成の見直しなど、早急な対策が求められています。
放置すれば、「渋谷の廃墟」というレッテルが、現実になる日も遠くないかもしれません。
まとめ
渋谷サクラステージは、オフィスや住宅としてはある程度の成功を収めているものの、商業エリアだけが孤立している現状があります。
その要因は、高すぎる家賃、複雑な施設構造、ターゲット層の曖昧さ、そして人の流れの不自然さにあります。
ただし、再開発が続いてる今、「これから改善できる余地」は十分にあります。
近隣エリアの整備が進み、導線が確保されれば、再評価される可能性もあるでしょう。
ガラガラの今だからこそ、逆に「これからの変化」を見守ってみる価値があるかもしれません。
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