今、詐欺の手口はますます巧妙化し、まさかの裏をかく方法で高齢者を狙っています。
無料点検、不要品回収、代引き商品…一見無害に見えるそれらが、実は詐欺の入り口かもしれません。
大切なご両親が被害に遭わないために、今こそ知っておくべき「令和の最新特殊詐欺」3選を紹介します。
高齢者なら騙されてしまう令和の特殊詐欺
「無料点検です」と家に上がり込む悪質業者
作業着姿の男がインターホン越しにこう言います。
「近くで工事をしていた者ですが、瓦がずれているように見えました。無料で点検しましょうか?」
一見、親切心からの声かけに思えるこの一言…実はここからが詐欺の本番です。
家に上がり込み、雨戸や戸袋をわざとガタガタと音を立てて揺らし、「こんなに音がします。壊れてますよ」と不安を煽るのです。
特に高齢者は「ご近所の目」を気にする傾向があり、「そんな音を立てないで…近所に恥ずかしいから」「じゃあ交換してください」と口にしてしまいがち。
この流れで作業費30万円をその場で請求されるというケースもあります。
■対策
- 「無料点検」という言葉に惑わされず、知らない業者は家に入れない。
- 修理が必要か迷ったら、必ず家族や信頼できる業者に相談する。
- インターホン越しでも録音・録画機能付きのモニターを設置すると効果的。
不要品回収を装い、価値ある物をごっそり持ち去る
高齢者宅を狙うもう一つの巧妙な手口が、「不要品を無料で引き取りますよ」という言葉を使った訪問型の詐欺です。
一見便利なサービスに思えるこの申し出、ところが業者の狙いは、タンスや押し入れの奥に眠る貴金属、骨董品、ブランドバッグなど金目の物です。
その場で「これは古いので価値がないですが、引き取りますね」と言いつつ、市場価格の20分の1ほどの金額を支払い、偽の領収書を手渡して持ち去るというケースが報告されています。
表面上は「売買契約」なので窃盗にならないという悪質なグレーゾーン詐欺です。
■対策
- 不要品回収を名乗る業者が来ても、その場で渡さない。必ず家族に相談。
- 相場が不明な物は複数の買取店に見積もりを依頼する。
- 領収書があっても納得できない場合は、消費者センターへ相談。
注文していない商品が届く!代引き詐欺(送り付け商法)
ある日突然届く、小さな段ボール箱、中には「初回限定!健康食品お試しセット1週間分」と書かれた商品が入っています。
そしてその場で代引き料金3,000円を請求されます。
高齢者はこう思います。
「この前、健康食品の電話があったな。あれだったかな…?」こうした心理を突いたのが、令和の送り付け商法です。
数日前に営業電話をかけて「お身体の具合いかがですか?無料サンプルを…」などの会話をして記憶に残しておき、後日「勝手に」商品を送り付け、代引きで金を取るのです。
一度払ってしまうと、「じゃあ定期購入も」と次の商品が送られてくるループになってしまうのです。
■対策
- 注文していない商品はその場で受け取り拒否できる。
- 代引き商品を開封する前に、家族に連絡を入れる習慣をつける。
- 特定商取引法に違反している可能性があるので、消費生活センターに相談する。
まとめ
どれも「うちの親は大丈夫」と思ってしまいがちな手口ですが、詐欺は普通の人がひっかかるように設計されているのが最大の特徴です。
例えば、家族LINEを作って毎日一言「おはよう」「今日は雨だね」と交わすだけでも、異変に気づきやすくなるものです。
「知らない人が来た」「こんな荷物が届いた」といった話題も自然と共有できるようになります。
防犯は、技術や知識だけではなく、つながりから始まる時代なのです。
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