コロナ禍では大人気だった「一人焼肉」、中でも「焼肉ライク」は、一人焼肉ブームの立役者として一世を風靡しました。
しかし最近、「閉店ラッシュ」「業績悪化」というニュースが続々と流れています。
なぜ、あれほど勢いがあった焼肉ライクが、ここまで追い込まれてしまったのでしょうか?
今回は、焼肉ライクの苦境の真相、そして今後どうなっていくのでしょうか…。
焼肉ライクとは?コロナ禍で急成長した背景

焼肉ライクは2018年に東京・新橋で1号店をオープン、注文から3分以内に提供、一人1台の無煙ロースター、コックレスキッチンなどの新しい業態で話題を呼びました。
特にコロナ禍では、「黙食」「少人数外食」需要に完璧にマッチし、一気に国内外100店舗以上へと拡大します。
まさにコロナ特需を受けた成功企業の象徴でもありました。
しかし、コロナ収束とともに状況は一変します。
- リモートワーク定着により、オフィス街のランチ需要が激減、都心型店舗中心の焼肉ライクにとっては大打撃。
- 当初の「一人焼肉」の新しさは薄れ、競合店も急増、差別化が難しくなり、消費者の関心が低下。
- 以前は650円程度だったランチが、原材料高騰で1000円前後になり、単品メニュー中心になったことで満足感も低下しコスパ重視の客層が離れ。
- コロナ禍明けで、大人数向け食べ放題型焼肉(焼肉キング、ワンカルビなど)が再び人気にとなり、ファストフード的な一人焼肉の需要は縮小傾向。
焼肉ライクはフランチャイズ中心で拡大しましたが、出店コストが高く(20坪で4300万円)、採算ライン(月売上1200万円)が高いビジネスモデルでした。
コロナ特需の時期には直営店が大ヒットしたものの、ポストコロナで客数が減ると、加盟店の経営は急速に苦しくなり、閉店ラッシュに直結してしまいます。
一方で、海外展開は好調です。
インドネシアなど東南アジア諸国では、「焼肉文化が新しく珍しい」「中間層の外食ニーズが高い」「一人で気軽に楽しめるスタイルが人気」といった要素が追い風になっており、海外店舗数は37店舗に拡大、今も堅調な成長を続けています。
焼肉ライクの今後の可能性
焼肉ライクが完全撤退する可能性は低いとみられていますが、国内では大きな変化が求められます。
具体的には、「ターゲット層の再設定(インバウンド客向け、一人+小グループ対応など)」「メニューの再設計(高価格帯メニュー追加、リーズナブル路線の両立)」「立地戦略の見直し(オフィス街依存から住宅地・観光地型への転換)」が、カギを握るでしょう。
特に、これからは「一人焼肉」だけに頼らず、新しい食の楽しみ方を提案できるかがポイントとなりそうです。
海外の成功モデルを国内にも取り入れる形でリブランディングを進める可能性も十分考えられます。
まとめ
焼肉ライクは、時代の追い風を受けて一気に成長した一人焼肉のパイオニアです。
しかし、コロナ収束後の環境変化に十分対応できず、現在は国内で苦戦しています。
一方、海外市場では今なお成長を続けており、完全消滅の危機には直面していませんが、時代に合わせた業態ブラッシュアップとターゲット層の拡張が不可欠となりそうですね。
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