普段何気なく耳にする放送の裏には、私たちの安全を守るための隠されたメッセージがあるのです。
今回は、各業界で実際に使われている「非常時の隠語」を3つ紹介します。
もしこの放送を耳にしたら、すぐにその場を離れるべきかもしれません…。
非常時の隠語3選
赤い箱(デパート・商業施設業界)
放送例:「ひまわりの会からのお届け物です。赤い箱が届きました」
これは、百貨店や駅ビルなどの大規模商業施設で使われる隠語で、爆発物(爆弾)の疑いがある不審物が発見されたときに使われるものです。
表向きは「お届け物」の案内を装っていますが、従業員はこの放送を聞くとすぐに持ち場を離れ、避難・警備・誘導などに入ります。
「赤い箱」は、危険を象徴する色と形をコード化したもので、実際に「赤い箱」である必要はありません。
過去の事件などの教訓から、こうした曖昧で一般人が意味を察しづらい隠語が広まったのです。
一見すると何気ない放送に聞こえますが、聞いた瞬間にその場を離れることを考えるべき合図です。
大きな荷物(学校・公共施設)
放送例:「〇〇昇降口に大きな荷物が届きました。生徒は邪魔にならないように体育館に集合してください」
こちらは学校で不審者が校内に侵入した際に使われる隠語です。
大人が放送で「不審者が侵入したので逃げてください」とは言えません。
パニックを避けるため、生徒たちには「荷物」という言葉でうまく誘導し、安全な場所(体育館や避難室など)へ集めるのです。
教員にはこの放送の意味が共有されており、直ちに対応行動をとるよう訓練されています。
保護者の間では都市伝説的に語られることもありますが、実際に全国各地で採用されている学校も多く、現代の危機管理教育の一環として知られています。
大きな忘れ物(タクシー業界)
無線例:「本日16時ごろ、〇〇駅付近でご乗車されたお客様が、大きな忘れ物をされました。年齢は40代くらい、上着は黒、リュックを持っていました」
このアナウンス、実は重大事件の逃走犯がタクシーを使った可能性があるときに使われる隠語です。
タクシー会社と警察が連携し、犯人の特徴を「忘れ物のお客様」の情報として、業務連絡に見せかけて全ドライバーに注意喚起します。
この時点で車内に犯人がいる可能性もあるため、直接的な言葉を避けることで、運転手や乗客への危険を最小限に抑えようとしています。
もし街中でこの無線が聞こえた場合、周囲に警戒して行動するのが賢明です。
まとめ
隠語とは、混乱やパニックを防ぎながら、関係者にだけ重大な情報を伝えるための知恵です。
これらの隠語は、いずれも私たちの身近で使われている緊急時のサイン!
聞き慣れない表現だからといって無視するのではなく、「これはただ事じゃないのかも」と立ち止まって考えることが、思わぬ危険から身を守ることに繋がります。
日常の裏に潜む、静かな警告のサイン、その意味を知っておくことで、いざという時に正しく行動できるかもしれません。
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