最近の米高騰の中、安価なブレンド米を選ぶ家庭も増えていますが、実はその中に失敗する米が潜んでいるのをご存知ですか?
外見や価格だけでは判断できない、ブレンド米の落とし穴、後悔しない米選びのために知っておきたい、信頼できるブレンド米の見極め方を紹介します。
なぜ今、ブレンド米に注意すべきなのか?

近年、国内の米価格は天候不順や資材費の高騰によって上昇傾向にあります。
その影響で、ブレンド米の需要が拡大していますが、実際のところ「安価だけど劣悪な品質」の商品も多く流通しています。
見た目はキレイでも、中には古米や低品質な等外米が混ざっているものもあり、炊いたときに「ベタつく」「匂いが悪い」「色が濁る」といった不快な結果を招くことも…。
見極める力がなければ、安さの代償として味や安全性を犠牲にしてしまいかねません。
見極め方① 米袋の表示は品質のヒント
まず最初に確認したいのが、米袋に記載されている「等級」「収穫年」「精米日」といった表示項目です。
とくに「等級表示」は非常に重要で、「一等米」「二等米」などの検査等級は、農産物検査法に基づき粒の整い具合や水分量などをチェックしたうえで与えられます。
これが明記されていない場合、検査を受けていない等外米(とうがいまい)や混米の可能性があるため注意が必要です。
次に確認したいのが「収穫年」、ブレンド米の中には、数年前に収穫された古米や古古米を含んでいる商品もあります。
とくに記載が「生産年」ではなく「精米年月日」のみで済まされているものには注意しましょう。
精米して日が浅くても、元の玄米が古ければ味は明らかに落ちます。
収穫年が明示されている商品は、品質に自信がある証拠とも言えます。
また、「精米日」も劣化の指標です。
精米した瞬間から酸化が進むため、できるだけ購入日から2週間以内に精米された米を選びたいところです。
精米から1か月以上経っているものは、たとえ未開封でも味や香りが落ちている可能性があります。
見極め方② ブレンド比率と原産地の明記があるか
「複数原料米(国内産)」という表記、見たことはありませんか?
これは、複数の産地や品種の米をブレンドしているという意味ですが、どこの県のどんな品種かは一切わからないという点が問題です。
中には収穫年も品種も不明で、等級外の古米や業務用低ランク米が混じっているケースもあります。
こうした表示では、消費者はまったく中身を判断できません。
一方で、良質なブレンド米は、「令和5年産 秋田県産あきたこまち50%、新潟県産こしひかり50%」のように、使用割合・品種・産地がきちんと書かれているのが特徴です。
明記できるということは、それだけトレーサビリティ(追跡可能性)と品質に自信があるということです。
価格が少し高くても、こうした表記がある商品を選んだ方が失敗のリスクは圧倒的に減ります。
さらに注意したいのが、ブレンド比率の合計が100%になっていないケースや、「ほとんど非表示」の商品。
例えば「国産米使用」としか書かれていない商品は、どのような米が何割含まれているかすら不明です。
見た目やネーミングだけで買うと、炊きあがりの不満や返品すらできない状況に陥ることもあります。
見極め方③ 覗き窓から米粒の顔を読む
米袋の一部に設けられた「覗き窓」や透明部分は、実は非常に重要な判断材料です。
ここから中の米粒の状態を目視でチェックすることで、多くの情報が得られます。
たとえば、割れた粒が多い場合、それは「砕米」と呼ばれるもので、水分バランスが崩れており、炊いた際にベチャつきやすい特徴があります。
また、白く濁った粒(死米)が多いと、これは未成熟米や劣化米である可能性が高く風味や香りに明確な差が出てきます。
さらに、粒の大きさがバラバラな米は、ブレンドや選別が不十分な証拠、炊きムラや食感の不均一さにつながります。
そして、もう一つ見ておきたいのが色味です。
正常な米はやや透明感のある白ですが、黄ばんでいたり、全体が灰色っぽい場合は酸化や劣化が進んでいるサインです。
逆に、あまりにも不自然にツヤがある場合は、「再研磨」された見た目だけ整えた米の可能性もあり、中身の質とは一致しないケースもあります。
このように、袋越しに見えるわずかな粒の情報からでも「米の顔」は語るのです。
店頭では時間がない中でも、覗き窓だけはしっかり見てから購入を判断しましょう。
まとめ
ブレンド米を選ぶ際は、値段やブランド名だけに頼らず、袋に書かれた情報や見た目から品質を見極めることが重要です。
等級表示や収穫年、精米日、ブレンド比率や原産地の記載がしっかりされている米は、それだけ信頼性が高いと言えます。
さらに、覗き窓から見える粒の状態も、食味の良し悪しを左右する大切なヒントとなります。
これからも価格が高騰する中、本当に美味しくて安全な米を見抜く力が求められますね。
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