「普通」とされる生活を数十年間拒み続けたら、どんな人生になるのでしょうか?
現代社会では当たり前と思われる清潔な暮らしや他者との関わりを、あえて断ち切った人々がいます。
今回は、数十年間○○を経った2人の驚くべき生涯を紹介します。
アモウ・ハジ「世界一汚い男」
イラン南部の小さな村に住んでいたアモウ・ハジさんは、約70年間も一度も入浴せずに生涯を過ごしました。
彼は「水と石鹸が病気の原因になる」と信じており、風呂を避け続けたのです。
その結果、彼の体は汚れと埃で覆われていましたが、地元の人々からは「風変わりで奇妙だが、無害な老人」として知られていました。
また、アモウさんの生活習慣は非常に独特でした。
新鮮な食べ物を嫌い、動物の腐肉を主食としており、飲み水は錆びた鉄製の缶に溜まった雨水を使用していました。
さらに、愛煙家であった彼はタバコが手に入らないときには乾燥した動物の糞をパイプに詰めて吸っていたのです。
これらの生活習慣は常識を超えていますが、彼は94歳という長寿を全うしました。
2022年、村人たちの説得でついに入浴したアモウさん。
しかしその数ヶ月後、体調を崩して亡くなります。
この出来事は、彼の独特な生活スタイルが実は健康を維持する一因であったのではないかという議論を呼びました。
彼の生涯は、現代社会の「清潔」と「健康」の概念に一石を投じる存在でしょう。
アガフィア・ルイコフ「世界一孤独に生きる女性」
ロシアのシベリア奥地に位置するタイガの森林地帯で、アガフィア・ルイコフさんは現在も一人で生活を続けています。
彼女の家族であるルイコフ一家は、ロシア正教会の古儀式派(古信徒)に属しており、宗教的迫害から逃れるために1930年代に人里離れた山奥のタイガ(密林)に移り住みます。
一家は1978年、ソ連の地質学者たちによって偶然発見されました。
当時、一家は6人家族でした。
- 父|カルプ・オシポヴィチ
- 母|アクーリナ・カルポヴナ
- 息子|ドミトリー
- 息子|サヴィン
- 娘|ナターリア
- 娘|アガーフィア
しかし、その後次々に病気や老衰で家族を失い、現在ではアガフィアさん一人がタイガに残されています。
アガフィアさんの生活は極めてシンプルです。
農作業や狩猟、自然の恵みを利用して自給自足の暮らしを続けており、時に外部からの支援を受けることもありますが、基本的にはタイガの厳しい環境の中で一人で生活を維持しています。
電気も水道もない生活は困難を極めますが、彼女は自然と共存しながら、自分の信仰と伝統を守り続けているのです。
アガフィアさんの暮らしには、外界からの訪問者が魅了され、彼女の生活を記録し、世界に伝えようとするジャーナリストや映画製作者もいます。
彼女の生き方は、物質的な豊かさではなく、精神的な満足と信仰の力が人間にとって重要であることを示してくれています。
まとめ
私たちにとって「普通」とされる生活が必ずしも幸せや健康の道標ではないことを教えてくれます。
現代社会に生きる私たちが見逃しがちな「自分らしさ」や「自然との調和」を再考する機会ではないでしょうか。
彼らの生き方を知ることで、あなたの価値観にも新たな視点が生まれるかもしれません。
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