昆虫食と聞くと驚く方も多いでしょう?
でも実は、日本各地には昔から昆虫を食べる文化が根付いている地域もあります。
高たんぱくで栄養価の高い昆虫食が、今もなお伝統的な食文化として続いているのです。
今回は、そんな昆虫が当たり前に食卓に並ぶユニークな地域とその代表的な料理を3つ紹介します。
昆虫食が伝統的な食文化となっている地域
昆虫を食べる文化が根付いている地域は、日本国内でも特に山間部や農村地帯に多く見られます。
昔から、海産物の入手が難しい内陸地域では、昆虫が貴重なタンパク源として重宝されてきました。
現代では、昆虫食は少し珍しいものに感じられるかもしれませんが、地域によっては伝統的な料理として現在も残っているのです。
長野県|イナゴとハチノコ
長野県は昆虫食の中心地とも言えるほど、豊かな昆虫食文化が存在します。
海から離れた山間部であるため、昔は海産物を手に入れることが難しく、山や田んぼで採れる昆虫が貴重な栄養源でした。
- イナゴの佃煮
田んぼで捕まえたイナゴを醤油や砂糖で甘辛く煮込んだ佃煮です。
特に、秋の収穫時期には大量にイナゴが捕れるため、佃煮にして保存食としても活用されていました。
食感はカリカリとした歯ごたえがあり、ご飯のお供としても好まれています。 - ハチノコ(蜂の子)
スズメバチやクロスズメバチの幼虫を煮たり炒めたりしたもので、炊き込みご飯や佃煮にして食べられています。
甘い香りと濃厚な味わいが特徴で、一部の人々にとっては高級珍味とされています。
岐阜県奥三河地域|ヘボ(クロスズメバチの幼虫)
岐阜県の奥三河地域では、特に「ヘボ」と呼ばれるクロスズメバチの幼虫が珍重されています。
この地域ではヘボの巣を採取し、蜂の子を収穫する「ヘボ祭り」が毎年開催されており、地元の名物料理として蜂の子を使った様々な料理が楽しめます。
- ヘボの佃煮
蜂の子を甘辛く煮た佃煮で、濃厚な旨みが感じられます。
ご飯のお供としてだけでなく、お酒のつまみとしても人気があります。 - ヘボご飯
蜂の子をご飯に混ぜた炊き込みご飯で、ほのかに甘い風味とコクが加わり、一般的な炊き込みご飯とは一味違った美味しさが楽しめます。
山形県・福島県|イナゴの佃煮
東北地方の山形県や福島県でも、長野県と同じくイナゴが食卓に並ぶ文化があります。
こちらも内陸地域であり、農作物に被害を与えるイナゴを駆除しつつ、食料として活用する知恵が生まれたと言われています。
- イナゴの佃煮
山形県や福島県でも、イナゴは収穫期に捕れるため、昔から保存食として佃煮にされてきました。
醤油と砂糖で甘辛く煮詰められたイナゴの佃煮は、今でも地域のスーパーや道の駅で販売されています。
子供からお年寄りまで幅広い年齢層に親しまれており、家庭の食卓にも並ぶことが多いです。
まとめ
このように、日本には昆虫を日常的に食べる地域が存在し、それぞれに伝統の味が受け継がれています。
現在では昆虫食は一部の珍味や観光用のお土産として見られることが多くなりましたが、その栄養価の高さや持続可能な食料源として、再評価される機運も高まっています。
食文化の一端として、これからもこうした地域の昆虫食文化が続いていくことを期待したいですね。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)