あの衝撃から20年…牛丼チェーンで『牛丼が食べられなくなった』世界を震撼させた狂牛病とは?

あの衝撃から20年…牛丼チェーンで『牛丼が食べられなくなった』世界を震撼させた狂牛病とは?

えっ、牛丼屋から牛肉が消えた!?

そんな衝撃的なニュースが日本中を駆け巡ったのは、今から約20年前のことです。

普段何気なく食べていた牛丼が、突然メニューから姿を消しました。

その背景には、世界中を震撼させた「狂牛病(BSE)」の存在があったのです。

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狂牛病(BSE)とは?

狂牛病(BSE)とは?

狂牛病、正式名称「牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy:BSE)」は、1980年代にイギリスで初めて確認された牛の神経変性疾患です。

感染した牛の脳組織がスポンジ状に変性し、異常行動や運動失調などの症状を引き起こし、最終的には死亡します。

BSEの原因は、異常プリオンタンパク質と呼ばれる感染性のある異常なタンパク質で、これが正常なタンパク質に影響を及ぼし、連鎖的に異常プリオンを増やしていきます。

主な感染経路として、肉骨粉と呼ばれる動物性飼料が挙げられます。

これは、牛や羊の骨や内臓を粉砕して作られたもので、栄養価を高める目的で飼料に混ぜられていました。

しかし、BSEに感染した牛の肉骨粉を他の牛に与えることで、感染が拡大していったのです。

BSEは当初、牛特有の病気と考えられていましたが、その後、「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)」として人間にも感染することが判明しました。

vCJDは、若年層にも発症し、初期症状として抑うつや不安感が現れ、進行すると運動失調や認知障害を引き起こし、最終的には死亡に至る致命的な疾患です。

世界的な拡大とその背景

BSEは、1980年代後半から1990年代にかけて、イギリスを中心に急速に拡大しました。

その背景には、いくつかの要因が重なっています。

まず、イギリス政府の対応が後手に回ったことが挙げられます。

初期段階でBSEの危険性が指摘されていたにもかかわらず、「人間には感染しない」と判断し、感染牛の流通を早期に止める措置を取らなかったことが被害の拡大につながりました。

また、感染牛の発見後も、イギリス国内では肉骨粉の使用を禁止したものの、その輸出は継続され、その結果他国でも感染牛が発生、特にヨーロッパ各国やアジアにも広がる要因となったのです。

さらに、BSEの潜伏期間が長く、発症するまでに数年かかるため、感染の拡大に気づくのが遅れたことも問題でした。

発症した時点ではすでに多数の牛が感染しており、食肉として流通した後だったため、広範囲に影響が及んだのです。

日本への影響と牛丼チェーン店の対応

日本でも2001年に初めてBSE感染牛が確認され、大きな社会問題となります。

特に、2003年にアメリカでBSE感染牛が発見された際、日本はアメリカ産牛肉の輸入を停止しました。

これにより、アメリカ産牛肉を主に使用していた牛丼チェーン店は、牛肉の調達が困難となり、牛丼の販売を完全に一時休止する事態に陥ります。

例えば、吉野家は牛丼の販売を停止し、代替メニューとして「豚丼」を提供しました。

他のチェーン店も同様に、豚肉や鶏肉を使用したメニューを展開し、対応を迫られました。

現在の状況と安全性

その後、各国で以下のような対策が講じられました。

  • 肉骨粉の使用禁止|牛への肉骨粉の使用が禁止。
  • 特定危険部位の除去|脳や脊髄など、異常プリオンが蓄積しやすい部位の除去を徹底。
  • 検査体制の強化|BSE検査の徹底と、感染牛の早期発見。

これらの対策により、BSEの発生は大幅に減少し、現在では牛肉の安全性が確保されています。

日本でも、厳格な検査と管理が行われており、消費者が安心して牛肉を消費できる環境が整っています。

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まとめ

かつて、世界中を震撼させた狂牛病(BSE)は、私たちの食生活や食品安全への意識に大きな影響を与えました。

牛丼チェーン店から牛肉が消えるという事態は、食の安全性がいかに重要であるかを再認識させる出来事でしたよね。

現在では、各種対策が講じられ、牛肉の安全性は確保されていますが、過去の教訓を忘れず、引き続き食品の安全性に対する高い意識を持ち続けることが重要です。

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