ダイエット中や糖質制限をしている人にとって、ゼロカロリー飲料は救世主のような存在。
「甘いのにカロリーゼロ」という魅力的なコピーに惹かれて、つい飲んでしまっていませんか?
でも、「ゼロ=安全」とは限らないのが現実です。
飲み続けることで体にどんな影響があるのか、本当に健康にいいのか…今回はその真相に迫ります。
ゼロカロリー飲料ってそもそも何?
ゼロカロリー飲料とは、甘みがあるのにカロリーがほぼない飲み物のこと。
ジュースやコーラなどに使われている糖分の代わりに、「人工甘味料」や「天然甘味料」が使われているのが特徴です。
たとえば、よく使われるアスパルテームやアセスルファムKは、砂糖の約200倍の甘さがあるとされ、非常に少量で強い甘さを出すことが可能です。
また、スクラロースは600倍もの甘さがあり、さらにカロリーもゼロ、天然由来のステビアも300倍ほどの甘さを持ちますが、ほぼノンカロリーとされています。
そして、意外と知られていないのが「ゼロカロリー」の基準。
日本の食品表示基準では、100mlあたり5kcal未満であれば「ゼロカロリー」と表記できることになっているため、実際にはごく少量のカロリーが含まれていることもあるのです。
ゼロカロリー飲料を飲み続けると体に起こる変化
甘みを感じても脳が満足できない
人工甘味料は、舌に触れると脳に「甘いものが来た!」という信号を送り、ドーパミン(幸福感を感じさせる脳内物質)を分泌させます。
しかし、その後に本来あるはずのカロリー(エネルギー)が届かないため、脳は「騙された」と混乱することになります。
これが繰り返されると、脳が「どうせエネルギーは来ない」と学習してしまい、ドーパミンの分泌が減少する可能性があるという研究結果も。
結果として、食べても飲んでも満足感を得られにくくなり、食欲が止まらなくなるケースもあるのです。
甘味に慣れて自然な味が物足りなくなる
ゼロカロリー飲料に含まれる甘味料は、非常に強い甘さを持っています。
そのため、飲み続けていると味覚が過敏になり、本来の「自然な甘さ」が物足りなく感じるようになっていきます。
たとえば、果物の甘さや炊きたてのご飯の甘みが「全然甘くない」と感じたり、「もっと甘くて濃い味のものが食べたい」という状態に陥ってしまうことも。
そうなると、お菓子やスイーツなどの摂取量が増え、かえって太りやすい体質になるリスクがあるのです。
腸内環境が乱れる可能性
近年の研究では、人工甘味料が腸内細菌に影響を与える可能性も指摘されています。
特にスクラロースやサッカリンなどは、腸内フローラ(腸内細菌のバランス)を乱す可能性があるとされており、消化不良や便通の乱れを引き起こすことも。
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど体全体に影響を及ぼす器官、腸内環境が乱れることで、免疫力の低下や代謝の悪化、さらにはメンタルの不調にもつながる恐れがあります。
もちろん、これらはあくまで「大量に・長期間」摂取した場合の話であり、少量であれば影響が小さいともされていますが、日常的に「水代わり」に飲んでいる人は要注意です。
適量なら安全!飲み方が重要
厚生労働省や世界各国の食品安全機関(FDAやEFSAなど)は、人工甘味料について「適切な摂取量であれば安全」と認めています。
たとえば、アスパルテームは体重1kgあたり40mgが1日の許容摂取量とされており、体重50kgの人なら毎日ダイエットコーラを15〜20本飲まない限りは問題ないとされています。
つまり、1日1〜2本程度のゼロカロリー飲料なら、健康に大きな影響を与えることはまずありません。
ただし、問題は「無意識に飲みすぎること」。
- 水分補給のつもりで毎日3〜4本飲んでいる
- 甘いものが欲しくなるたびにゼロカロリー飲料に頼っている
といった習慣がついてしまうと、脳や味覚、腸への影響が出るリスクも高まります。
ゼロカロリー飲料を活用するなら、
- 甘いものがどうしても欲しいときの代替として
- 食後のデザート代わりに1本だけ
- 糖質制限中の一時的なサポートとして
など、嗜好品として意識的に使うのがベストです。
まとめ
ゼロカロリー飲料は、正しく使えばダイエットや糖質制限の心強い味方になります。
しかし、「ゼロだから大丈夫」と油断して、飲みすぎたり習慣化してしまうと、脳や腸、味覚に悪影響を及ぼす可能性もあるということを忘れてはいけません。
毎日の中で「これは本当に今、必要な1本か?」と問いかけながら、上手に付き合っていくことが大切です。
「ゼロに」隠された落とし穴に気づいた今だからこそ、健康的な選択を!
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