飲料の値上げラッシュが続くこの時代、コストコのホットドッグのドリンク飲み放題付きはなぜ変わらず「180円」で提供され続けています。
SNSでは「利益出てるの?」「逆に心配になる」「コスパ最強」との声も多く見られます。
今回は、なぜ値上げされないのか、その理由と裏側の戦略について深掘りしていきます。
コストコのホットドッグとは?
コストコのフードコートで不動の人気を誇るホットドッグセット、その最大の特徴は180円(税込)という驚きの価格に、ドリンク飲み放題まで付いてくる点です。
使用されているソーセージは100%ビーフの極太タイプ、ジューシーな肉の旨みが詰まっており食べごたえは満点、パンもふわっとしながら弾力があり、ソーセージとベストマッチです。
さらに、自分好みにトッピングできるセルフサービス形式で、ケチャップ・マスタード・オニオン・ピクルスなどを自由に追加可能、以前はザワークラウトも提供されていましたが、現在は廃止されています。
それでもこのホットドッグセットは、価格・味・ボリュームのすべてが高評価を得ており、SNSでも「毎回買っちゃう」「コストコの神フード」として根強いファンを獲得しています。
なぜ値上げされない?
コストコのホットドッグが「絶対に値上げされない」と言われる背景には、創業者ジム・シネガル氏の信念が存在します。
アメリカでは1985年に1.50ドルで販売を開始して以来、一度も値上げしていません。
かつて現CEOのクレイグ・ジェリネック氏が値上げを提案した際、シネガル氏は「値上げしたら〇すぞ」と冗談混じりに猛反対、このエピソードは実話として有名で、当時のコストコの企業文化を象徴する出来事です。
彼にとって、ホットドッグの価格は単なる商品の値段ではなく、コストコの誠実さと顧客との信頼関係を示す象徴的存在でした。
値上げ=ブランドの裏切りという哲学が、現在の経営陣にも引き継がれているのです。
利益が出ないのに維持できる?
実際、コストコのホットドッグはほぼ利益がないとされています。
アメリカの従業員の証言によれば、1セットあたりの利益はたったの0.08ドル(約12円)とのこと。
それでも価格を維持できているのには、いくつかの仕組みがあります。
「自社工場による生産コストの削減」、「セットドリンクも自社製品でコストカット」、「フードコートは利益より集客を狙ったロスリーダー戦略」、「会員制による安定収益」の要素が大きく関係しています。
今や、あらゆるモノの価格が上がる中で、「あの商品だけはずっと変わらない」という体験は顧客の心理的な安心感につながります。
コストコのホットドッグは、まさにその象徴的存在なのです。
また、SNSや口コミでも常に話題に上ることから、広告宣伝費をかけずとも自動的に宣伝効果が生まれるというメリットもあります。
コストコにとってホットドッグは、商品であると同時に広告塔であり、企業理念の体現者でもあるのです。
まとめ
コストコのホットドッグは、ただの安い軽食ではありません。
創業者の哲学、巧妙な戦略、徹底したコスト削減、そして顧客第一主義が融合した、企業の象徴的プロダクトです。
物価高が続く現代において、変わらぬ価格と安心感を提供し続ける姿勢は、多くの消費者にとって信頼の証となっています。
値上げをしないことは、単なる美学ではなく、ロイヤルカスタマーを生む戦略的な意思決定、これこそがコストコのホットドッグが安いままであり続ける真の理由なのです。
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