かつて800店舗を誇ったあの牛角が、いま次々と店舗を閉め、ネットでは「崩壊寸前」とまで囁かれています。
原因は一体何なのか?本当に倒産の危機なのでしょうか?今回は、牛角を取り巻くヤバい現状について詳しく紹介します。
全盛期800店舗→現在500店舗台まで激減

牛角は1997年に東京・三軒茶屋で誕生し、外注による仕込みとアルバイト主体の効率的な運営で急拡大を果たしました。
焼肉を高級品からカジュアルに変えた存在として、2004年には800店舗に到達し、日本最大の焼肉チェーンとなりました。
しかし2025年現在、牛角の店舗数は520店舗前後まで減少しています。
特にここ1年での閉店数は加速度的で、わずか半年間で50店以上が消えたという報道もあります。
背景には、牛肉やタンの価格が2倍近くまで高騰したほか、電気・ガス代、キャベツなどの野菜価格の急上昇も影響しています。
焼肉業界はもともと原価率が高い業種であり、外部環境の悪化が直撃しているのです。
サブスク失敗が招いたブランド毀損
2020年、牛角は「月額11,000円で牛角コースが食べ放題になる」という衝撃的なサブスクリプションサービスを打ち出し、SNSで爆発的に話題となりました。
ツイッターやテレビで取り上げられたこともあり、サービス開始直後から登録者が殺到しました。
しかし、店舗側の準備が万全ではなく、登録者専用の座席確保もなく予約枠は一般客と共通、加えて1人利用のニーズを読み違え、2人以上の予約制にしたことで混乱が広がり店頭には長蛇の列でき、中には警察が出動する騒動にまで発展しました。
さらに、店側には適切な人員補充が行われず、アルバイトスタッフへの負担が増大、現場の混乱と炎上を受けて、サブスクはわずか数日で新規受付中止に追い込まれました。
「牛角はやっぱりダメだ」という声も広がり、ブランドへの信頼を大きく損なう結果となりました。
過去の不祥事が影を落とすイメージの低下
牛角のヤバさは、近年の経営失速やサブスクの炎上だけにとどまりません。
実はこれまでにもいくつかの深刻なトラブルを経験しています。
2011年には富山県の店舗で、食中毒の原因とされる大規模なクレームが発生、当時牛角ではユッケの提供はしていませんでしたが、生肉と野菜を同じ調理器具で扱った可能性が指摘され、安全管理体制に疑問符がつきました。
2015年には、アルバイトスタッフに対するパワハラや賃金未払い、脅迫的言動といったブラックバイト問題が表面化、訴訟沙汰にまで発展し運営会社のレインズインターナショナルは世間から厳しい批判を浴びました。
さらに2020年には、系列のしゃぶしゃぶ業態店舗で大規模爆発事故が発生し、死者や多数の負傷者を出すという衝撃的な事件も起きています。
これらの出来事はすべて、牛角というブランドに対する「安心・安全」のイメージに大きな傷をつけました。
一度失われた信頼を取り戻すのは簡単ではありません。
消費者の記憶に残る負のイメージは、業績や施策以上にブランド価値を左右するのです。
まとめ
牛角がヤバいとされる背景には、店舗数の減少や原価高騰だけでなく、サブスク施策の失敗や過去の不祥事が複合的に影響しています。
ライバルチェーンが着実に成長する一方、牛角は方向性を見失い、中途半端な立ち位置に陥っています。
特に顧客体験の設計ミスや現場への丸投げ対応は、信頼失墜を招く結果となりました。
再び立ち直るには、かつての強みであった「顧客目線」と「スピード感」を取り戻すことが不可欠です。
今こそ、牛角が第二の創業とも言える再定義の時期を迎えているのかもしれません。
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