サイパンの戦い…なぜ民間1万人が犠牲となったのか?なぜ崖から飛び降りたのか?悲劇の理由とは

もし、自分や家族が戦場に取り残されたら…1944年、太平洋戦争の激戦地となったサイパン島では、日本軍だけでなく多くの民間人が戦闘に巻き込まれました。

武器を持って戦いに加わった人、そして捕虜になることを拒み自ら命を絶った人々、彼らをそこまで追い詰めたものは何だったのでしょうか。

今回は、民間人約1万人が犠牲となった「サイパン島の戦い」の全貌とその背景に迫ります。

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絶対国防圏の要衝・サイパン島

サイパンの戦い
Via|Wikipedia「サイパンの戦い」(公式より引用)

サイパン島は第一次世界大戦後、日本の委任統治領となり、沖縄や東北から多くの移住者が砂糖産業や漁業に従事していました。

戦争開戦前には、日本人移民やその家族、先住民(チャモロ・カロリニアン)を合わせて約2万人が暮らしていた南洋の島です。

太平洋戦争の戦況が悪化した1943年、日本は絶対国防圏を設定、その中核に位置するサイパンは、日本本土防衛の最前線と位置づけられました。

しかし、1944年初頭のトラック島空襲で中部太平洋防衛線が崩れ、米軍はマリアナ諸島侵攻を決定、日本側は年末上陸と予測していましたが、米軍はわずか数カ月後の6月に予想を大幅に早めてサイパン攻略を開始します。

島を覆った圧倒的な物量と防衛の限界

1944年6月11日、米軍はマリアナ諸島の日本軍基地に大規模空襲を実施し、日本の航空戦力を壊滅させます。

13日からは艦砲射撃で沿岸陣地を破壊し、15日朝には米海兵隊が南西海岸に上陸、日本軍は水際迎撃で一時的に米軍に損害を与えたものの防衛線は突破されます。

16日夜、日本軍は戦車による夜襲を仕掛けましたが、米軍の最新兵器バズーカ砲の前に全滅、18日にはアスリート飛行場が陥落し戦況は決定的に不利となります。

さらに19〜20日のマリアナ沖海戦では、日本海軍が空母3隻と航空機450機以上を失い機動部隊は壊滅、サイパン奪還の可能性は完全に消えました。

米軍は上陸部隊約7万、戦車・火砲・航空機による圧倒的火力を維持、対する日本軍守備隊約4万3千は補給も途絶え、弾薬・食糧不足に陥っていました。

この時点で、サイパン島には戦闘開始時点で多数の民間人が取り残されていました。

疎開は一部始まっていたものの、輸送船の撃沈や敵上陸はまだ先という誤った判断により中止され、多くの人々が島に残留したのです。

戦況が悪化すると、日本軍は民間人を後方支援や陣地構築に動員、さらに終盤には、在郷軍人会、青年団、警防団員などが竹槍や棍棒を手に戦闘に加わりました。

7月7日未明、南雲忠一中将の命令で兵士・民間人約3,000人が総攻撃(いわゆる「バンザイ突撃」)を実施、米軍の一部部隊を壊滅させたものの、ほぼ全員が戦死しました。

これは軍事的には勝算のない行動でしたが、「生きて虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓や、捕虜は殺され女性は凌辱されるという恐怖が強く植え付けられており、降伏よりも死を選ぶ空気が支配していたのです。

崖からの集団自決

バンザイ突撃後、生き残った兵士や民間人は島北端のマッピ岬(バンザイクリフ)やスーサイドクリフに追い詰められました。

周囲は海と断崖、背後からは米軍が迫る状況、水も食料も尽き、行き場はありません。

米軍は投降を呼びかけ、食料や医療を提供すると通訳を通じて伝えましたが、長年の教育と恐怖心から多くは拒絶、「捕虜になるくらいなら…」と、母親が子供を抱えて海に身を投げる姿も目撃されています。

手榴弾で自決した者も多く、海岸や断崖下には多数の遺体が折り重なりました。

戦後の調査や証言によれば、この戦闘と自決で犠牲になった民間人は約1万人、沖縄戦に先立ち大規模な住民犠牲を伴った初めての戦いとして歴史に刻まれました。

まとめ

サイパン島の戦いは、軍事的には絶対国防圏の崩壊、日本本土空襲の引き金となった重大な敗北でした。

しかし同時に、民間人約1万人が犠牲となった住民戦争でもあります。

民間人が戦闘に加わり、最後には自決を選ばざるを得なかった背景には、誤った戦争指導、極端な思想教育、そして戦場に取り残された現実があります。

この悲劇は、戦争が人間の判断力や未来を奪うという事実を私たちに強く突きつけています。

平和な社会を守るためには、この歴史を正しく知り、同じ道を繰り返さない決意が必要です。

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