Made in Chinaの表記を最近見なくなった気がしませんか?
代わりに見かけるP.R.Cや他の略語…これって一体なに?どこで作られたもの?
実は、製造国を示す表記が今、静かに変化してきているのです。
今回は、意外と気づきにくい原産国表記の変化とその背景を紹介します。
Made in Chinaが減った?P.R.C.ってどこの国?

よく目にする「Made in China(中国製)」という表記、しかし最近では、「Made in P.R.C」という見慣れない略語が増えてきています。
このP.R.C.は、「People’s Republic of China」の略で、実質的には中国製と同じ意味です。
あえてChinaと書かず、正式名称の略語を使うことで、Made in Chinaという文字に対して抱くネガティブな印象を回避しようという意図があると見られています。
これは一種のイメージ戦略であり、中国製品は安かろう悪かろうという印象を持たれたくないというメーカーやブランド側の思惑が背景にあるのです。
実際に家電製品やスマートフォンのアクセサリー、雑貨などで、P.R.C表記を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?
Made in 〇〇の略語
P.R.C.だけでなく、近年は他の国でも略称を使った表記が増えています。
これは国際的な取引で使われる正式名称や、輸出入書類での表記に合わせる動きがあるからです。
例えば
- Made in R.O.K:Republic of Korea(韓国)
- Made in R.F:Russian Federation(ロシア)
- Made in U.A.E:United Arab Emirates(アラブ首長国連邦)
- Made in V.N:Vietnam(ベトナム)
こういった略語は、製品パッケージやタグに小さく書かれていることが多く、慣れていないとどこの国かわかりづらいという声もあります。
そのため「中国製を避けようとしていたのにP.R.Cだと気づかなかった!」や「R.O.K.ってロックじゃないの?と思ったら韓国だった」など、消費者の誤認が生まれるケースも出てきています。
本来、製造国表示は消費者が購入の判断材料にするための大切な情報です。
それが見えづらくなるというのは、企業の姿勢としても問われる部分があるでしょう。
なぜ表記を変える?メーカー側の思惑
表記が変わってきている背景には、いくつかの理由があります。
- ブランドイメージの維持
中国製に対して厳しい目を向ける市場では、Made in Chinaと書かれることで売れ行きが落ちることもあります。そこで、P.R.Cなどに置き換えて印象を緩和していると考えられます。 - 国際規格や貿易ルールの対応
WTOや各国の貿易ルールで、正式名称の使用が求められる場合があります。このため略称であっても、People’s Republic of Chinaの方が国際的には正式と見なされるケースもあるのです。 - 他国と混同させないため
たとえば、Chinaとだけ書くと、台湾や香港との違いが曖昧になる可能性もあるため、より明確に中華人民共和国製であることを示すためにP.R.C.を用いることもあります。 - 消費者の思い込みを利用
残念ながら、中にはP.R.Cってどこだろう?と思わせることで、消費者が別の国製と勘違いして購入してくれることを期待するケースもあるとされています。これはごまかしと捉えられても仕方のない表記戦略です。
このような動きに対して、「国名を変えても本質は変わらない」「隠そうとしているように見える」と、企業の姿勢に疑問を感じる消費者の声も確実に増えています。
まとめ
製造国の表記が変わることで、消費者の購買判断が左右される時代、もちろん中国製であっても高品質な製品は多くあります。
だからこそ、表記でごまかすのではなく、品質で勝負する姿勢がこれからのブランドには求められていくでしょう。
私たち消費者も、略称に惑わされず、本質を見極める目を持つことが大切ですね。
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