日本軍史上最大の敗北「インパール作戦」無謀な決断が招いた悲劇

日本軍史上最大の敗北「インパール作戦」無謀な決断が招いた悲劇

第二次世界大戦中、日本軍が「史上最悪の作戦」と呼ばれるインパール作戦(ウ号作戦)に挑んだことは、多くの人が耳にしたことがあるでしょう。

補給を軽視し、兵士を極限の飢えと病に追いやったこの作戦は、なぜ実行に移されどのように崩壊していったのか…。

今回は、牟田口廉也中将の独断によって進められた作戦の内幕と悲劇的な結末を振り返ります。

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ビルマ戦線と牟田口廉也の野望

ビルマ戦線と牟田口廉也の野望
Via|Wikipedia(左)連隊長時代の牟田口廉也(右)インパールに向かって進軍する第15師団兵士(公式より引用)

インパール作戦とは、第二次世界大戦中に日本軍がビルマ戦線で実施した大規模な攻撃作戦です。

1944年(昭和19年)3月に始まり、同年7月初旬まで続きました。

目的はイギリス領インド北東部の都市インパールを攻略することで、日本支配下にあったビルマを防衛するための「攻撃による防御」という意味合いが強くありました。

さらに、中国へ物資を送り込む援蔣ルートを遮断するという戦略的狙いもありました。

加えて、この作戦には軍事面だけでなく政治的な意図も含まれており、当時インドでは独立運動が高まりを見せており、日本軍はインパール攻略によってその運動を刺激し、イギリスの植民地支配体制を揺さぶろうと考えたのです。

つまり、インパール作戦はビルマ防衛と中国戦線の弱体化、さらにはインド独立運動の利用という三つの目的を合わせ持った作戦だったのです。

新設されたビルマ方面軍の下で、第15軍司令官となった牟田口廉也は、かつての盧溝橋事件から自分が戦争を始めたと自負し、今度はインド侵攻によって戦局を一気に変えられると信じ込んでいました。

牟田口は危機感を募らせ、次のように主張しました。

「このまま守勢に回れば日本軍は戦略的に不利になる。逆に先手を打ち、インドに攻め込むべきだ」その標的とされたのが、イギリス・インド軍(BIA)の拠点インパールでした。

参謀や補給担当の将校たちは「補給が不可能だ」と強く反対、しかし牟田口は耳を貸さず、意見しても無駄だと悟った部下たちは沈黙、こうして作戦は、危ういまま突き進んでいくことになります。

補給は敵から奪え、崩壊の瞬間

作戦説明の場で、牟田口が語った内容は常識を逸したものでした。

「この作戦は普通の考え方では成り立たない。食料は敵から奪えばよい。銃を空に三発撃てば敵は降伏する」

補給を無視した非現実的な方針に、師団長たちは唖然としましたが、反論の声は上がりませんでした。

兵士たちには三週間分の米を持たせ、補給用に数千頭の牛を同行させるという計画でしたが、牛は川で溺れたり山岳を越えられず、補給は出発直後から破綻状態でした。

イギリス軍はインパールに空輸で物資を送り込み続けます。

一方で、日本軍は補給が途絶え、兵士は飢餓とマラリア・赤痢に次々と倒れていきます。

食料も弾薬も尽き、弱った兵士たちは無意味な突撃を繰り返し、死傷者だけが増えていきます。

それでも牟田口は「前進せよ」と命令を続け、作戦の失敗を認めませんでした。

やがて、アメリカの支援を受けた中国軍も北ビルマで攻勢に出て日本軍は全面的に崩壊、退却が始まると道には倒れた兵士の遺体が散乱し、衰弱した兵士は蛆に覆われながら息絶えました。

絶望の末に手榴弾で自決する者も後を絶たず、退路は「白骨街道」と化します。

イギリス軍にとっては、日本軍が自滅するのを待つだけの戦いでした。

飢えと病により、日本軍は数万人規模の損失を被り、組織的抵抗力を完全に失ったのです。

無謀な夢の代償

牟田口廉也は作戦の失敗を知りながらも、自らの名誉を守るため撤退命令を出すことを躊躇しました。

その結果、無数の兵士が飢えと病で命を落としたのです。

作戦が完全に崩壊したとき、ビルマ防衛線も瓦解しイギリス軍は反攻を本格化、ビルマ奪還へとつながっていきます。

インパール作戦は、補給なくして戦は成り立たないという軍事の基本を無視した典型例であり、後世に「日本軍史上最悪の作戦」として語り継がれています。

まとめ

インパール作戦は、牟田口廉也の独断と楽観的な判断により開始されました。

補給を軽視し、敵の力を過小評価した結果、兵士たちは飢餓と病に追い込まれ数万人が命を落としました。

イギリス軍は空輸で持ちこたえ、日本軍は自滅する形で敗北、この悲劇は指導者が現実を直視せず無謀な理想に突き進んだときに、いかに多くの犠牲を生むかを示す痛切な教訓となっています。

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