20円玉を握りしめ、何が出るかに一喜一憂したカードダスの時代、今やコンビニやアプリで手軽にトレカが手に入る中、カードダス自販機はほとんど見かけなくなりました。
一体なぜ?そして今でも心に残るあなたの1枚はなんだったのでしょうか?
カードダス全盛期

カードダスが誕生したのは1988年、バンダイが「ビックリマンチョコ問題」(※お菓子だけ捨てる社会問題)への代替手段として開発した画期的な商品でした。
お菓子を介さず、純粋に「欲しいものだけを買える」仕組みが、親と子の双方に支持されたのです。
最初に人気を集めたのは『SDガンダム』、コミックボンボンとのタイアップにより爆発的な売れ行きを記録しました。
その後『ドラゴンボール』が参入すると人気は頂点になり、さらにはキラカードの存在が子どもたちのくじ運欲をくすぐり、街の駄菓子屋には子供がカードダスを求め群がるようになりました。
なぜカードダス自販機は消えたのか?5つの理由
カードダスが社会現象になったのは1990年代前半までで、その後は急速に姿を消していきました。
なぜ弱体化したのか…理由には、以下のような要因があります。
- ゲーム性の希薄さ
初期のカードダスは基本的に集めるだけ」、一部に簡単な対戦ルールが存在しましたが、子供たちの間ではほとんど浸透しませんでした。
「見て楽しむ文化」は、次第に遊んで楽しむ文化に移行していきます。 - トレーディングカードゲーム(TCG)の台頭
1996年、『ポケモンカードゲーム』が登場、翌年には『遊戯王OCG』が始まり、子供たちは集めるだけでなくバトルすることに変化しました。
「対戦できるカードゲーム」は戦略性と繰り返し性が高く、紙のカードである必然性が強まりました。 - スマホ・アプリ時代の到来
2000年代以降、DS・スマホ・アプリゲームが普及、「カードを回す」「実物を持つ」という物理的な喜びよりも、無料で遊べる手軽さが主流になります。
デジタルでカードを集めるという発想が定着し、カードダス自販機の価値が相対的に低下しました。 - 設置コストと店舗事情
自販機の設置にはスペースが必要で、メンテナンスや補充の手間がかかる一方で、駄菓子屋や町の小売店が減少したことも追い打ちになります。
高単価・高利益のアーケードゲームへとシフトせざるを得なくなりました。 - ガチャ文化との競合
スマホアプリにおけるガチャ機能の隆盛が、リアルカードにとって代わる存在になりました。
「確率でレアが出る」体験は、形こそ違えど本質的にはカードダスと同じ構造です。
それでもカードダスの遺伝子は絶えたわけではありません。
2005年に登場した『データカードダス』は、カードとアーケードゲームを連動させた新形態で、『ドラゴンボールヒーローズ』や『プリキュア』『ウルトラマン』など、人気IPを活かして今も現役で稼働しています。
さらに近年では、当時のカードダスを忠実に再現した復刻シリーズや、ジャンボカードダスの限定販売も実施され、懐かしいデザインで、30代〜40代を中心とした大人コレクターの心をつかんでいます。
まとめ
カードダス自販機が街角から消えつつある今、私たちはかつての記憶の中に1枚のカードを残しています。
それはSDガンダムかもしれない、ドラゴンボールかもしれない、回すたびに手に汗を握ったあの瞬間こそが青春だったのです。
きっと、心の奥で今もキラキラと光っているはずです。
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