セブンイレブンの「レジ横ドーナツ」が失敗を超えて帰ってきた…今だからできる理由とは?

セブンイレブンの「レジ横ドーナツ」が失敗を超えて帰ってきた理由と再定義とは?

覚えていますか?セブンイレブンのレジ横に並んでいたドーナツを…。

2014年に登場しながら、2017年には静かに姿を消した「コンビニドーナツ」が、2024年、装いも新たに帰ってきました。

一度は撤退したにもかかわらず、なぜセブンは再びレジ横でのドーナツやパンの販売に挑むのでしょうか?

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かつてのコンビニドーナツブームとセブンの撤退

かつてのコンビニドーナツブームとセブンの撤退
Via|セブン‐イレブン(左)お店で揚げたシュガードーナツ(右)お店で揚げたメープルドーナツ@sej.co.jp(公式より引用)

セブンイレブンがレジ横でドーナツを販売し始めたのは2014年のことでした。

当時、「セブンカフェ」で淹れたてコーヒーが大ヒットしていたこともあり、その勢いに乗じて「コーヒーに合う甘いもの」として導入されたのがドーナツだったのです。

専用のショーケースをレジ横に設置し、シュガーやチョコ、オールドファッションといった定番系のドーナツをラインナップ、コンビニでもミスドのような本格ドーナツが楽しめるという触れ込みで注目されました。

ところが、この施策は思ったほどの成果を上げることができませんでした。

ドーナツは工場で製造され、店頭に並べられていたため、パサつきや乾燥が目立ち、「なんか美味しくない」「ミスドの方がいい」という消費者の声が多く上がります。

売上は次第に落ち込み、最終的に2017年には全店舗で撤退となりました。

このとき、「セブンのドーナツはミスドのパクリで終わった」などと揶揄され、コンビニドーナツの取り組み自体が失敗事例として語られることになったのです。

2024年、セブンがリベンジドーナツに再挑戦

そんな「黒歴史」を持つセブンイレブンが、2024年に再びレジ横ドーナツにチャレンジしています。

しかし今回は、明らかに過去とは戦い方が異なっています。

まず注目すべきは、ドーナツが各店舗で実際に揚げられているという点です。

メープル、チョコ、カスタードの3種類が提供されており、これらはセブン店内のフライヤーで調理され、揚げたての状態で販売されます。

レジで注文すると白い紙袋に包まれたドーナツが手渡され、「砂糖をかけますか?」と聞かれるのも新鮮な体験です。

価格帯も140円から160円と手頃で、ミスドの「カスタードクリーム」が172円(税込)であることを考えると、競合を強く意識した設定であることは明らかです。

実際、SNSやレビューサイトには「温かくて美味しい」「チョコが意外と本格的」「メロンパンも焼きたてだった」という好意的な声が多く見られ、前回とは違った手応えを感じさせる出だしとなっています。

再挑戦に踏み切った理由とは?

では、なぜセブンイレブンは過去に一度撤退したドーナツを、再びレジ横で販売するというリスクの高い選択をしたのでしょうか。

その背景には、現在のコンビニ業界が抱える構造的な課題と、セブンの長期的な戦略が深く関係しています。

現在、日本全国に存在するコンビニの店舗数は5万5000店を超えており、すでに新規出店による成長は限界に達しています。

出店余地がほぼ尽きた今、各社は「店舗数を増やす」以外の方法で売上を伸ばさなければなりません。

そのひとつの答えが、「店舗1つあたりの売上をどう最大化するか」、すなわち密度の経営です。

セブンはここで、食品にフォーカスしました。

これまでも「金のシリーズ」や「セブンプレミアム」など、食品分野での開発力には定評がありましたが、最近は「7NOW」というクイックコマース(即時宅配サービス)との連動も意識した商品戦略にシフトしています。

店内で揚げたドーナツや焼きたてのパン、バター香るフィナンシェなど、香りと温度で訴求できる商品は、来店時の衝動買いだけでなく、デリバリーでの売れ筋商品としても強みを発揮するのです。

つまり、今回のドーナツ再発売は、ただの懐古的なリベンジではなく、店舗の売上効率を上げ、デリバリーでも差別化できる強みを増やすための戦略的な再挑戦なのです。

リアル空間としての価値を再定義するコンビニ

もうひとつ見逃せないのが、コンビニが今後「リアル空間としての価値」をどう創出していくかというテーマです。

ローソンではUFOキャッチャーを設置して滞在時間を延ばす試みや盛りすぎチャレンジが始まり、ファミリーマートはイートインスペースを削減して商品棚に充てる「売場最適化」へと舵を切っています。

そんな中でセブンは、「できたてベーカリー」のような食の香りや温かさを活かして、その場で味わう価値に注力し始めています。

焼きたてメロンパンの香りが漂うレジ横は、もはやパン屋に近い体験、それをコーヒーと一緒に買って車内で楽しむ人や、オフィスに持ち帰って午後の癒しにする人が増えているのも納得です。

これからの時代、ECでは再現できない空間体験が、リアル店舗に求められる最大の価値になっていくのかもしれません。

セブンが再びレジ横で「香る」「温かい」「手渡しされる」ドーナツを売り出したのは、そうした変化に対する極めて実践的な一手といえるでしょう。

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まとめ

かつては「パクリ」や「見込み違い」と言われたセブンイレブンのレジ横ドーナツですが、2024年の再挑戦は過去の繰り返しではなく、しっかりと反省と時代分析を重ねた上での進化した戦略です。

できたて、香る、その場で味わえる、という体験をレジ横に凝縮することで、コーヒーとのセット需要を喚起しデリバリーとの親和性も高める、そして何より、セブンのレジ横に来る楽しみが増えたと感じられること自体が、コンビニの未来を広げる大きな一歩なのではないでしょうか。

次にセブンに立ち寄ったとき、ふわりと香るメロンパンや揚げたてのドーナツを見て、あなたもその変化を実感するかもしれません。

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