世界が聞き間違えた!? 「これは小さな一歩だ…」名言の裏にあった驚きのエピソード
1969年7月20日、世界中が固唾をのんで見守る中、人類で初めて月に降り立った男・ニール・アームストロング、彼が残したあの有名な言葉を一度は聞いたことがあるはずです。
That’s one small step for a man, one giant leap for mankind.「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」。
しかしこの名言、実は「聞き間違い」から生まれた可能性があるってご存じでしたか?
「a」が聞こえなかった?世界を巻き込んだ一文字の謎

当時、地球に届いた音声には「for a man」の「a」がはっきり聞こえず、記録上では「That’s one small step for man…」とされてしまいました。
でもこれだと文法的に「人類にとっての小さな一歩、人類にとっての大きな飛躍」と、意味が重複してしまうんです。
2006年、音声解析の結果「確かにaの発音があった可能性が高い」とも報告され、今ではa man説が有力になっています。
つまり、たった一文字aが聞こえなかったことで、意味まで変わってしまった…そんな奇跡の瞬間だったのです。
アームストロング本人は後年、「ちゃんとa manって言ったつもりだった」と主張しています。
名言は事前に用意されていた?
この名言がその場の即興ではなく、事前に準備されたものだった可能性も指摘されています。
アームストロングの弟ディーン氏は、アポロ11号の打ち上げ前、ボードゲームをしていた際に「これ、どう思う?」と、兄に見せられた言葉が、あの「one small step…」の原型だったとのことです。
だとすれば、月に降り立った瞬間に世界に響いたその名言は、歴史に刻むための準備でもあったわけですね。
とは言え、降り立った瞬間でも事前に準備していた言葉であっても名言には変わりはありません。
他にも見逃せないアームストロングの言葉
アームストロングは、月着陸という偉業以外にも数々の味わい深い言葉を残しています。
- 「わたしたちが月に行くのは、困難に立ち向かうことが人間の本質であるからだと思う。」
- 「神秘は好奇心を生み出す。そして好奇心は人間の理解したいという欲求の基礎なのだ。」
これらの言葉から浮かび上がるのは、彼がただの英雄ではなく、淡々とした自覚と謙虚さを兼ね備えた思索的な人であったという姿です。
このように、アームストロングの言葉ひとつをとっても、その背景には言葉選びの緻密さ、伝播経路のノイズ、そして人間としての思慮が重なっています。
ただ有名な一行だからと鵜呑みにせず、言葉の裏側に耳を澄ませてみると、新しい驚きが見えてくる…そんな視点が、歴史をより深く味わう鍵かもしれません。
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