バブル経済真っ只中の1980年代後半から1991年頃、日本は世界でも稀に見る好景気に沸きました。
土地も株もどんどん値上がりし、企業も個人も羽振りが良すぎるほど良かった時代です。
そんなバブル期に当たり前とされていたカルチャーを、今改めて知ると驚きが…今回は4つのバブル文化を紹介します。
タクシーは空車でも乗れない?
今ではアプリで簡単にタクシーを呼べる時代ですが、バブル期はまるで逆でした。
終電を過ぎても飲み会や接待が続くのが当たり前だったため、深夜のタクシー需要は異常なまでに高騰していたのです。
とくに銀座や六本木などの繁華街では、空車のタクシーがいても「客を選ぶ」のが当たり前、タクシー運転手たちは、より高額運賃を落としてくれるお金持ち風の客しか乗せたがらず、なんと札束を振って、金持ちアピールしなければ乗れないという信じられない光景が日常的に繰り広げられていました。
これはもちろん現在では「乗車拒否」にあたる違法行為ですが、当時は黙認され、むしろ札束勝負が一種の文化だったとも言えます。
まさに、お金がモノを言う異常なまでの需要過多が生んだ象徴的な風景でした。
深夜のディスコは社交場だった?
バブル期のナイトライフといえば、やはり「ディスコ文化」を外すことはできません。
中でもジュリアナ東京は伝説的な存在で、ボディコンを着た女性たちが羽の扇子を振りながらお立ち台で踊る姿は、まさにバブル時代の象徴です。
芸能人や有名モデル、テレビ業界人、商社マン、証券マンなどが一堂に会し、ステージ前はまさに異業種交流会の様相、ナンパや名刺交換が活発で、中にはディスコで知り合って結婚するカップルもいたそうです。
VIP席は一晩で数十万円を使う客で埋まり、ボトルを入れるのはもちろん、シャンパンタワーを作ったりと見せびらかし消費が当たり前、今のクラブが音楽を楽しむ場だとすれば、当時のディスコは金と人脈を見せびらかす舞台でもあったのです。
入社しただけで高級スーツやゴルフセット?
就職氷河期を経験した世代からすると信じられないかもしれませんが、バブル期の就活は企業が学生に選ばれる時代でした。
そのため、大手企業は優秀な学生を確保するために、入社前から豪華すぎる特典を用意していたのです。
たとえば、大手商社や金融機関では…
- 20万円相当の高級スーツを支給
- ゴルフクラブ一式やブランド腕時計がプレゼントされる
- 内定者懇親会がハワイやグアムで開催される
- 入社1年目で100万円のボーナス
- 高級マンションを社宅として無償提供
など、まるで夢のような待遇が普通に行われていました。
特に総合商社や不動産、証券会社はこの傾向が顕著で、会社に入ることで「人生勝ち組」とされる時代でもありました。
このようなバブリーな福利厚生は、入社=ブランドという価値観を生み出し、見栄とステータスが就職にも色濃く影響していたのです。
銀行にお金を預けるだけで資産が増える?
今の若い世代にとって、「銀行に預けても利息がほとんど付かない」は常識、メガバンクの普通預金の金利は0.001%、定期預金でも0.3%前後が相場です。
ところがバブル期の1990年前後、定期預金の金利はなんと6%以上、100万円を1年間預けるだけで、利息が6万円以上つくという今では信じられないほどの高金利時代でした。
そのため、特に投資をしなくても「預金だけでお金が増える」という幻想が広がり、株や土地への投資にまで手を出す人が続出、結果として過剰な金融膨張につながり、後のバブル崩壊の引き金にもなりました。
いまでは、銀行にお金を寝かせているだけでは損という時代ですが、当時は何もしなくても資産が増える安心感に満ちていたのです。
まとめ
バブル期は、いまの日本では想像もできないような狂乱の豊かさと金がすべてという価値観に包まれていた時代です。
もちろん、その裏にはバブル崩壊という大きな代償もありましたが、もう一度だけ、あの時代を体験してみたいと思わせる魔力が確かにバブル期にはありました。
歴史を知ることで、今の常識や社会の変化がよりクリアに見えてくるのではないでしょうか。
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