世界には、ここは本当に地球なのだろうか…と疑ってしまうような、不思議で異様な景色が存在します。
その迫力や神秘さは、実際にその場に立った人だけが体感できるもの、写真や映像では伝わりきらない熱気や空気感は、訪れた人の記憶に深く刻まれます。
今回は、旅人を強く魅了してやまない、地球の神秘を象徴するスポットを3つ紹介します。
地獄の門(トルクメニスタン)

中央アジアのトルクメニスタン、カラクム砂漠の中央に突如現れるのが地獄の門と呼ばれる巨大なクレーターです。
1971年に天然ガス採掘中の事故で地面が崩落し、噴き出すガスに引火したことが始まりでした。
その火は今なお50年以上も燃え続け、直径約70メートルの穴の中で炎が絶えず揺らめいています。
昼間に訪れても迫力がありますが、真っ暗な夜の砂漠で見ると、暗闇の中に巨大な火の穴が浮かび上がり、不気味さと神秘性を兼ね備えた光景に圧倒されます。
観光客はクレーターの縁近くまで歩いて行くことができ、熱気や炎の轟音を肌で感じることができますが、周囲には柵や照明がなく、落下の危険があるため細心の注意が必要です。
首都アシガバートからは車で数時間とアクセスは容易ではありませんが、それだけに実際に目にしたときの感動は一生忘れられない体験となるでしょう。
イジェン火山(インドネシア)

インドネシア・ジャワ島の東部に位置するイジェン火山は、世界でも数少ない青い炎が見られる火山として知られています。
硫黄ガスが高温で燃焼することによって青白い炎が立ち上り、夜の闇の中に幻想的な光を放つのです。
その姿は地球のものとは思えないほど異様で、多くの旅行者を魅了してきました。
さらに夜が明けると、火口にはエメラルドグリーンの湖が現れます。
この湖は強酸性のため生物が生きられず、死の湖とも呼ばれています。
訪れる人々は、登山ルートを進んで火口縁まで到達し、この炎と湖を間近で目にすることができますが、ガスが漂う環境のため防毒マスクやゴーグルを着用するのが一般的で、装備を整えたうえで観光することが求められます。
深夜から登山を開始し、夜明け前に火口へ到着すると青い炎と日の出のコントラストを同時に楽しむことができます。
厳しい環境ではありますが、自然の神秘を最前列で体感できる貴重な機会といえるでしょう。
デスヴァレー国立公園の動く石(アメリカ)

アメリカ西部、カリフォルニア州に広がるデスヴァレー国立公園、その一角にある「レーストラック・プラヤ」では、長年人々を悩ませてきた動く石の現象を見ることができます。
乾いた湖底に散らばる石が、まるで自ら意思を持って動いたかのように数十メートルもの筋跡を残しているのです。
この謎は長らく解明されませんでしたが、2014年の研究により、冬季に張る薄氷と浅い水、そして風の組み合わせによって石がゆっくりと動くことが判明しました。
実際にその瞬間を目にできる人は極めて少なく、訪れた人の多くは湖底に残された長大な軌跡を眺めることで自然の神秘を感じます。
乾季には湖底を歩きながら石や筋をすぐ近くで観察することができ、広大な空間の中に刻まれた石の足跡は、自然が描いた壮大なアート作品のようです。
まとめ
地獄の門、イジェン火山、そしてデスヴァレーの動く石、いずれも人間の常識を超える自然現象を、すぐ目の前で体感できる特別な場所です。
燃え続ける炎や青い光、そして大地に刻まれた石の軌跡は、写真や映像では伝わらない迫力を放ちます。
過酷な環境に身を置くからこそ、自然の壮大さと人間の小ささを実感でき、そこで得られる感動は何ものにも代えがたいものです。
旅の目的地を探しているなら、この3つのスポットを候補に加えてみてはいかがでしょうか。
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