え?あそこってアメリカの会社だったの!?
そんな驚きの声が聞こえてきそうな企業が、実はアメリカ本国では消滅しているのをご存じでしょうか?
しかもその企業たちは、日本で独自進化を遂げて今もなお大人気の会社ばかりです。
今回は、アメリカで絶滅したのに日本では絶好調な「逆輸入状態」の企業を3社を紹介します。
トイザらス(Toys“R”Us)

かつて世界最大級のおもちゃ専門チェーンとして知られたトイザらスは、1948年にアメリカで誕生し全盛期には世界で1,600店舗以上を展開していました。
ところが、時代の波は厳しく、2000年代に入るとAmazonをはじめとするECサイトの台頭や価格競争により業績が悪化、ついに2017年にアメリカ本社は経営破綻、翌2018年には全米の店舗を閉鎖してしまいます。
一方、日本では「日本トイザらス株式会社」として独立し、経営体制を築いていたためアメリカ本社の破綻に影響されなかったのです。
さらに日本では、出産・育児用品に特化した「ベビーザらス」との複合店舗を展開し、ファミリー層の強い支持を獲得しました。
特典付き商品の販売、子ども向けイベントの実施など、リアル店舗ならではの価値を高めています。
現在も全国に約140店舗を展開し、アメリカ本国の消滅とは対照的に元気いっぱいです。
ミスタードーナツ(Mister Donut)

ミスドの愛称で日本中に浸透しているミスタードーナツ、実はアメリカ発祥で、1956年にマサチューセッツ州で創業されたれっきとしたアメリカブランドなんです。
1970年代には全米に500店舗以上を構える大人気チェーンでしたが、1990年にライバルであるダンキンドーナツに買収され、アメリカ国内の店舗はすべて転換・消滅してしまいました。
ところが日本では全く異なる展開を見せます。
日本での展開は1971年、清掃・衛生用品の「ダスキン」がフランチャイズ契約を結んだことが始まります。
以降、日本人の好みに合わせた商品開発や独自サービスで人気を博し、なんと現在でも全国に900店舗以上を展開するまでになりました。
ふんわり系ドーナツ、飲茶メニュー、期間限定コラボなど、もはや和製ミスドと呼ぶにふさわしい独自進化を遂げています。
日本人の心に深く根ざしたドーナツブランド、それが今のミスタードーナツなのです。
ローソン(LAWSON)

全国どこでも見かけるコンビニ「ローソン」。実はこれも1939年にアメリカ・オハイオ州で創業された乳製品店がルーツです。
1975年に日本へ上陸し、ダイエーがフランチャイズ展開をスタート。その後は日本のニーズに合わせて急成長を遂げました。
しかし本家アメリカでは、1985年にサークルKを展開する企業に売却され、全米のローソン店舗はすべて消滅。
つまり、ローソンはアメリカから完全に姿を消してしまったのです。
一方、日本では独自のフランチャイズ戦略と品揃えで多様化に成功。「からあげクン」などのヒット商品、銀行・ヘルスケア・無人店舗などの新サービスを次々と導入し、今や全国で14,000店舗以上を展開しています。
さらに、台湾、タイ、インドネシア、ハワイなど海外への逆輸出まで果たしているのです。
まとめ
これら3社に共通するのは、日本市場に特化した独自進化を遂げていることです。
アメリカという母国で消滅または縮小した企業が、異国の地である日本で第二の人生を成功させることができたのは、文化への適応、商品戦略の柔軟性、そしてブランドへの愛着があったからこそ。
つまり、アメリカ発祥でも「日本流にカスタマイズ」されれば、むしろ本家以上に成功する例があるというわけです。
もしかすると、あなたが日常的に使っているお店も、実はアメリカ生まれで日本でのみ愛されている存在かもしれません。
ちょっと目線を変えてみると、身近な企業の「意外なルーツ」が見えてくるかもしれませんね。
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